転職で非公開求人を使うべき理由とは?メリット・デメリットを解説

2019/04/26

転職活動をしていて、「非公開求人」について耳にしたことはありませんか?求人情報は、自社サイトや転職サイトに公開しているものだけではありません。企業が求人情報を非公開にするのには、理由があります。ここでは非公開求人が存在する理由や、転職で活用するメリットをご紹介します。求人情報の見方や応募方法とあわせて参考にしてください。

転職サイトに載らない「非公開求人」とは?

非公開求人とは、企業の採用情報ページや転職サイトで公開していない求人を指します。一般に公開されていない情報なので、どの企業がどういった条件で求人を募集しているのか、転職希望者が見ることはできません。非公開求人を見るためには、転職サイトに登録し、転職エージェントやスカウト機能を通じて求人を紹介してもらう必要があります。

なお、ハローワークにも非公開求人があります。企業はハローワークに求人情報を掲載する際に、インターネット上で公開するかハローワーク登録者のみに公開するかを選択できます。後者の求人が非公開求人と呼ばれています。
転職サイトの非公開求人はエージェントの紹介がないと見られないのに対し、ハローワークの非公開求人は求職者番号を発行すれば見ることができます。

企業が求人を非公開にする5つの理由

では、企業はなぜ非公開求人を利用するのでしょうか? それは「採用の効率化」と「情報漏えいの防止」ができるからです。詳しい理由は、以下に紹介します。

1.非公開求人は採用までのプロセスが短いから

転職サイトに公開求人として求人を掲載するまでには長い時間がかかります。求人掲載ひとつとっても、掲載依頼、求人原稿の作成、編集・校正、入稿までに数週間から1ヶ月ほどかかり、その後に書類選考と面接が待っています。このように、採用までに多くの手順を踏まなければなりません。

一方、非公開求人は転職エージェントが人材を紹介してくれたり、欲しい人材の要件に当てはまる求職者だけにスカウトを送ることができます。急な欠員ですぐに人材を補充したい時に、非公開求人が活用されます。

2.非公開求人にしないと応募が殺到するから

知名度が高い企業や好条件の募集は、求人情報を公開すると応募が殺到する可能性があります。採用担当者は大量の履歴書やポートフォリオを確認しなければならず、応募者の対応にもコストがかかります。手間を省く目的でも、情報を公開する範囲を限定する非公開求人は有効です。

3.スキルのある人材を効率的に採用できるから

公開求人には多くの応募が届く一方で、優秀な人材が埋もれてしまったり、自社に関心の低い人材と接点を持てないリスクがあります。非公開求人を利用すれば、転職エージェントが保有する求職者の情報から、自社が求める条件に合う人材を見つけることができます。また、適性がありそうな転職者に対してエージェントが求人をおすすめするので、公開求人に応募してこないような人材を採用することができます。

4.重役の人事を噂されたくないから

管理職やプロジェクトの中心メンバーの退職を受けて、ポストを補うために求人を行う場合もあります。その際に公開求人を利用すると、重要ポストの求人を見て「近いうちに現在の担当者が退職するのではないか」「会社の経営が傾くのではないか」と、社内であらぬ噂が立つ恐れがあります。
こうした重要人事の噂は、社員だけでなく株主に不信感を与えます。秘密裏に人材を確保したい場合に、非公開求人は適していると言えます。

5.非公開求人は事業の情報漏えいを防げるから

新規プロジェクトの立ち上げや事業拡大に伴う採用は、競合他社に知られたくないものです。公開求人の場合は、求める人材像や業務内容、採用事情などを掲載するので、企業の戦略が読み取られてしまうかもしれません。非公開求人は競合への情報漏えいを防ぎたい場合に役立ちます。

転職希望者が非公開求人を利用するメリット・デメリット

次に、転職希望者が非公開求人を利用するメリットとデメリットを解説します。

非公開求人を利用する3つのメリット

1. 自分のスキルにマッチした求人のオファーが来る

非公開求人を利用すると、企業の求める人材と自分の希望する条件を照らし合わせ、マッチする求人が紹介されます。「特定の言語が扱える」「スマホアプリの開発経験がある」など、自分のスキルや経験が評価される転職先を見つけられます。

2. 大手企業の求人がある

大手企業は、応募が殺到しないよう非公開求人を利用する傾向があります。そのため、非公開求人を利用すれば公開求人ではなかなか見つけられない大手企業の求人に出会えるかもしれません。

3. 選択肢が増え、納得の行く選択がしやすくなる

非公開求人を利用すれば、転職先の選択肢を増やせます。自分のスキルが活かせるオファーが来るので、思ってもみなかった企業から好条件のオファーが提示されることもあります。公開求人と比較しながら納得のいく条件で転職することができるでしょう。

非公開求人のデメリットは「即戦力重視」

非公開求人では、即戦力となる人材が求められる傾向があります。つまり、スキルや実績が伴わない場合は企業からのオファーが来なかったり、応募できる求人が少なくなってしまう場合があります。新しい業界・業種に挑戦するために転職する場合は、未経験歓迎の公開求人を探した方が効率的でしょう。

非公開求人に応募するには?エージェントとスカウト、それぞれに魅力がある

非公開求人を紹介してもらうには、「転職エージェントを利用する」「スカウト機能を使う」の2つの方法があります。それぞれの特徴を紹介します。

転職エージェントを利用する

転職エージェントに登録して面談をすると、非公開求人を紹介してもらえます。転職エージェントは企業と求職者のマッチングを最適化するために、面談やスキルアップの講座などを行っています。スキルやキャリアを客観的に見直すだけでなく、自分の新たな可能性を見出すことができるかもしれません。

また、転職エージェントは転職先との面談の日程や希望条件の伝達などを求職者の代わりに行ってくれます。自分で交渉する手間を省けるので、忙しい人は転職エージェントの利用を検討しましょう。

スカウト機能を使う

スカウト機能とは、転職サイトに登録したプロフィールや自己PRを見た企業の採用担当者から、ダイレクトに選考の案内が届くサービスです。スカウトメッセージは一斉送信ではなく、人事担当者の方が求職者一人ひとりに送信します。自己PRは具体的に書くほど、企業の採用担当者の目に留まる可能性が高くなるので、詳細に記入することが大切です。

スカウト機能の魅力は、自己PRさえ記入しておけば積極的に求職活動をできない期間にも求人が届くことです。働きながら転職活動をする人にとって効率的な機能と言えます。

転職するなら非公開求人もフル活用しよう

非公開求人を利用すれば、自分のスキルや経験にマッチした転職先を見つけやすくなります。閲覧のためには、転職サイトや転職エージェントといった求職支援サービスを利用する必要がありますが、仕事が忙しく転職活動の時間が取れないに人にとって便利なサービスなので、利用する価値はあるでしょう。
転職を検討する際は、公開求人だけでなく非公開求人も活用して選択肢を増やし、納得のいく条件で転職しましょう。