大手企業を目指せる「紹介予定派遣」って?通常の派遣との違いやメリット・デメリットを解説します
紹介予定派遣という働き方を聞いたことはありますか? 派遣形態の一種で、派遣先の正社員・契約社員として直接雇用されることを前提とした働き方です。
派遣から企業の社員を目指せるので、社員として応募するにはハードルの高い大手企業にもチャレンジできるメリットがあります。この記事では紹介予定派遣の制度について解説していきます。大手企業の社員を目指したい方は、予定紹介派遣を転職の選択肢として持っておきましょう。
1. 紹介予定派遣と通常の派遣の違いは?
2. 紹介予定派遣は、なぜ大手企業を目指しやすい?
3. 紹介予定派遣にはどんな求人があるの?
4. 紹介予定派遣から社員になるには?
5. 紹介予定派遣のメリットとデメリット
5-1.紹介予定派遣のメリット
5-2.紹介予定派遣のデメリット
6. 悩むより行動! プロの転職支援を受けてみよう
紹介予定派遣と通常の派遣の違いは?
紹介予定派遣は、通常の派遣とは何が違うのでしょうか。それぞれの違いを以下の表にまとめました。
通常の派遣 | 紹介予定派遣 | |
---|---|---|
派遣期間 | 最長3年間 | 最長6カ月間 |
事前選考 | 不可 | 可能 |
社員登用 | 原則なし | あり |
通常の派遣社員は、一時的な労働力を補う目的で雇用されます。派遣期間は最長3年間で、派遣期間が終われば契約が終了します。派遣期間中に社員として雇用されることは「引き抜き」にあたるので、企業が派遣会社に違約金を支払わなければならない場合もあります。そのため、本人や派遣先の強い希望がない限りは社員として採用されることはありません。
一方、紹介予定派遣は自社の社員として採用するための試用期間という位置づけの派遣形態です。派遣期間は企業にとって「直接雇用できるかどうか」を見定める期間であり、派遣期間の終了後に企業と応募者がともに合意すれば正式採用に切り替わります。そのため、派遣期間が最長で6ヶ月と短いことや、書類や面接などで事前選考が課されることが特徴です。
紹介予定派遣は、なぜ大手企業を目指しやすい?
紹介予定派遣は大手企業にチャレンジしやすい働き方でもあります。主な理由は以下の2点です。
・理由1:紹介予定派遣では採用ハードルが下がる場合がある
・理由2:実際に働きぶりを見てから正式採用が決まる
企業によりますが、紹介予定派遣は社員に比べて採用のハードルが下がる場合があります。正社員・契約社員は応募書類や数回の面接で採用を決めなければならず、いったん採用すると解雇が難しいため、企業側も慎重にならざるを得ません。一方の紹介予定派遣は、派遣社員としてのスタートなので、企業側のリスクが低くなります。そのため「派遣だし、とりあえず働いてみてもらおう」と採用されやすくなる可能性があります。
また、紹介予定派遣では自分の働きぶりを企業に直接アピールできます。「きちんと仕事ができる人」や「自社にマッチした人」だと見なされれば、書類や面接の印象を上回るプラス要素になります。大手企業の求人は応募が殺到するため、採用されるためには他の応募者から一歩抜きん出ることが大切です。派遣期間中に高い実績を残すことができれば、内定に近付く強力な武器になります。
紹介予定派遣にはどんな求人があるの?
紹介予定派遣にはさまざまな求人があります。派遣社員は事務職のイメージが強く、確かに一般事務・営業事務の求人が豊富です。しかし、近年はWeb人材の採用難もあって、WebディレクターやWebデザイナー、コーダーなどの募集も出ています。紹介予定派遣を利用すると、企業の雰囲気はもちろん、入社後に求められる仕事のレベルも理解でき、ミスマッチを事前に避けることができます。知識や技術が問われるWeb業界は、紹介予定派遣のメリットを生かしやすいといえます。
以下のページでWeb業界の紹介人材派遣の求人を検索することができるので、興味があればぜひ求人を探してみてください。
紹介予定派遣から社員になるには?
では、紹介予定派遣で働くと、どれくらいの確率で社員になれるのでしょうか?
厚生労働省「平成29年度 労働者派遣事業報告書の集計結果」によれば、実績は以下の通りです。
紹介予定派遣に応募した人 | 149,818名 |
---|---|
実際に派遣された人 | 38,239名 |
直接雇用の選考を受けた人 | 27,892名 |
直接雇用に至った人 | 19,008名 |
紹介予定派遣に応募した人のうち、直接雇用に至ったのは12.6%です。狭き門だと感じるしれませんが、一般的な転職活動で内定を得られる確率が4〜5%(マイナビ調べ)であることを考えると、決して低い割合ではありません。
また、派遣期間を経て直接雇用の選考を受けた人は、なんと68.1%が実際に企業から採用されています。事前の選考さえ突破すれば企業から直接雇用のオファーをもらえる可能性がぐっと高まるのです。
紹介予定派遣のメリットとデメリット
ここからは、紹介予定派遣のメリットとデメリットをさらに深掘りしていきます。紹介予定派遣は、キャリアプランによっては不利な点もあります。紹介予定派遣の求人に応募する前に、メリットとデメリットをしっかりと把握しておきましょう。
紹介予定派遣のメリット
紹介予定派遣のメリットは以下の3つです。
・メリット1:応募のハードルが高い企業・職種に挑戦しやすい
・メリット2:入社後のミスマッチが起こりにくい
・メリット3:派遣会社のサポートを受けられる
それぞれ、詳しく説明していきます。
メリット1:応募のハードルが高い企業・職種に挑戦しやすい
前述の通り、紹介予定派遣は社員応募に比べて採用ハードルが下がる場合があります。自分の働きぶりをうまくアピールすることができれば、就職難易度の高い企業で働くことも夢ではありません。
メリット2:入社後のミスマッチが起こりにくい
派遣社員として実際に働けるので、入社後のミスマッチが起こりにくい利点があります。派遣期間は企業が応募者を見極めるだけでなく、応募者が企業との相性を見定める期間でもあります。企業の雰囲気や人間関係を把握したうえで、直接雇用の選考を受けるかどうかを決めることができるので、安心して長く働きたい人におすすめです。
メリット3:派遣会社がサポートしてくれる
紹介予定派遣の期間中は、派遣会社に所属していることになります。そのため、働き方の疑問や社員登用後の待遇など、企業に直接相談しにくいことも派遣会社が間に入って交渉してくれます。正式に社員になるまで派遣会社がしっかりとサポートしてくれるので、不安なく業務に集中できます。
紹介予定派遣のデメリット
一方で紹介予定派遣にはデメリットもあります。
・デメリット1:求人数が少ない
・デメリット2:必ずしも正社員になれるとは限らない
それぞれ、以下で説明します。
デメリット1:求人数が少ない
紹介予定派遣は一般の派遣に比べ、求人数が少ないのが実情です。厚生労働省「平成29年度 労働者派遣事業報告書の集計結果」によれば、平成29年に紹介予定派遣を実施した派遣事業所の割合は、派遣実績あった事業所のうち14%しかありませんでした。そのため、紹介予定派遣を探す際に条件を絞りすぎてしまうと、そもそも募集できる求人数が限られてしまう場合があります。
デメリット2:必ずしも正社員になれるとは限らない
紹介予定派遣に応募したらすぐに正社員として働けるわけではありません。先述の通り、正社員になる前だけでなく、派遣に至るまでも選考を通過する必要があります。また、実際の働きを見た結果、企業側が社員のオファーを見送る場合もあります。紹介予定派遣として契約を解消し、一般の派遣社員として契約を結ぶことも違法ではありません。
また、紹介予定派遣はあくまで「直接雇用」を前提にしている働き方であり、契約社員も雇用形態に含まれます。必ずしも正社員になれるとは限らないということを覚えておきましょう。求人票に書いていなくても、試用期間後「契約社員」としての雇用となる場合が多々あります。選考の段階で直接雇用後の雇用形態については確認しておくことが大切です。
以上の理由から「すぐに正社員として働きたい」という方は、正社員求人に応募するほうが近道でしょう。
悩むより行動! プロの転職支援を受けてみよう
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まとめ
予定紹介派遣は事前に仕事内容や企業の内情がわかるため「時間が多少かかっても、長く働ける企業を見つけたい」方にぴったりです。ぜひ、プロの転職支援を受けながら紹介予定派遣に挑戦してみてください。