Webディレクターの年収相場はいくら?年収UPに必要な能力とキャリアプラン
WebサイトやWebサービスなどのWeb制作において、チーム全体を統括し、指揮を執るのがWebディレクターの仕事です。今回は、Webディレクターの年収相場と、さらに年収を上げるにはどのような能力が必要になってくるのか、また、おすすめのキャリアプランを紹介します。
1. Webディレクターの年収相場は446万円
2. Webディレクターとして年収を上げるために磨きたい4つの能力
2-1.ビジネスを深く理解する能力
2-2.リスクを想像・回避する能力
2-2.柔軟な対応力
2-2.市場動向を把握・予測する能力
3.年収を上げたいWebディレクターにおすすめのキャリアプラン
3-1.より年収の高い同業他社に転職する
3-2.利益に貢献しやすいポジション・環境に転職する
3-3.フリーランスや上位職種へのステップアップをする
Webディレクターの年収相場は446万円
dodaが公開している2018年9月~2019年8月の集計データ『平均年収ランキング 最新版【職種別】』によれば、Webディレクターの平均年収は、446万円です。年代別のデータを見ると、長期的なキャリアアップを通して200万円前後の年収アップも期待できる職種であることが分かります。
平均年収 | 446万円 |
---|---|
20代 | 365万円 |
30代 | 462万円 |
40代 | 533万円 |
50代以降 | 554万円 |
Webクリエイター以外の、グラフィックデザイナーや編集、ゲーム関連などを含むクリエイティブ系職種全体の平均年収は377万円ですので、他のクリエイター職種と比較してもWebディレクターの平均年収は高水準と言えます。
また、Webディレクターの需要は年々高まっていますので、将来的な年収相場の上昇も期待することができます。
Webディレクターの需要が高まっている背景
近年、自社をPRする手段としてWebサイトを立ち上げることは当たり前になり、ほぼ全てと言っていいほどの企業が何らかの形でWebサービスをビジネスに活用しています。また、最低限パソコンとネット環境があれば立ち上げられるという参入リスクの低さから、新規Webビジネスは日々生まれています。
これらのWebサイトやWebサービスの拡大スピードと比較して、それを担う人材、いわゆる「IT人材」は不足しており、とりわけWeb制作における幅広い能力を有するWebディレクターは人材市場で引く手あまたになっています。
経済産業省の報告によると、IT人材の需要ギャップ(経済全体における総需要と供給力の差)は、2018年時点で約22万人でした。さらに2030年には、この需要ギャップは約45万人にまで膨れ上がるという試算も出ています。
※経済産業省『IT人材需給に関する調査(平成31年)』より
このような市場動向と人材不足によって、今後Webディレクターの需要はますます高まっていくことが予測されます。
Webディレクターとして年収を上げるために磨きたい4つの能力
需要が高く、他クリエイティブ職種と比較しても高水準の年収が期待できるWebディレクターですが、さらなる年収アップを狙うには、どういった能力を身につければよいのでしょうか? ここでは特に年収アップに結びつきやすい4つの能力を紹介します。
ビジネスを深く理解する能力
WebサイトやWebサービスを制作するクライアントの多くが、それを通じてビジネスの利益につなげるという思いが根底にあります。Webディレクターの仕事として、単にクライアントの要望に合わせてWebサイト・サービスを形にするだけでは十分とはいえません。クライアントがWebディレクターに期待しているのは、利益につながる提案と言えます。そのためには構築を手掛ける商品・サービス単体についての知識だけでなく、クライアントの事業内容や強みについて広告・販売戦略など、手掛けるビジネス全体について深く理解していることが大切です。
リスクを想像・回避する能力
Web制作の現場では、制作物の作り直しやバグが多発するなど、何かしらのトラブルやアクシデントが起こるものです。また、担当クリエイターの体調不良による長期の病欠、突発的な事故に巻き込まれるなど、不可抗力の事象も発生します。これらを想定していなければ、クライアントへの納品を遅延させないために制作スタッフの追加やスケジュールの組み直しなど各種調整業務が生じます。これには当然、コストも余剰にかかってしまいますから、これを未然に回避できるか否か、被る影響を最小限にとどめられるかどうかがWebディレクターとしての評価につながります。
柔軟な対応力
たとえば、「Webサイトの制作期間を1ヵ月短縮してほしい」といったような無茶な要望をされるようなことも、Web制作の現場ではよくあります。このような要望に対して「無理です」と言うことは簡単ですが、仕事ができるWebディレクターの場合、安易に断ることはしません。時間を短縮することでクライアントが得られるメリットと、現場への負荷や品質の担保、予算などを十分に検証し、たとえば「優先度の低いページ・機能をサイトリリース後に行う」など、現実的なプランを再構築してクライアントに提案します。もちろん、どう検証しても不可能な場合や不利益が発生することが目に見えて分かる場合には、その旨を正直に伝えて、クライアントに理解してもらうようい促します。
このように柔軟に対応する姿勢や適切な判断を示すことで、クライアントの信頼を得られ、その後の取引継続や新規依頼にもつながります。
市場動向を把握・予測する能力
WebサイトやWebサービスは、「作って終わり」ではありません。利益を上げ続けるには、どのようにWebサイトを改善すべきか、また、どのような新しいサービスを構築すべきか常に考える必要があります。
目の前の課題をただ解決するだけでなく、市場動向を的確に把握・予測し、先回りして動くことができれば、クライアントのさらなる利益創出につなげることができます。
年収を上げたいWebディレクターにおすすめのキャリアプラン
最後に、年収を上げたいWebディレクターにおすすめのキャリアプランを3つ紹介していきます。
より年収の高い同業他社に転職する
求人情報を見てみると「Webディレクター経験」などの応募資格が記載されていることがありますが、即戦力人材を強く求めている企業の多くには、「できれば同業他社で働いているWebディレクターが欲しい」という本音があります。
採用する企業とすれば、同業他社で働いているWebディレクターには、業界知識を教える必要もなく、さらにはビジネスに活かせるノウハウ・ネットワークを持っている可能性があります。こうした様々な期待から、高い年収を支払ってでも採用したいと考えるに至っているのです。
同業他社へ転職をする際には、単にWebディレクターとしての能力だけではなく、ビジネスにどのように貢献できるかを伝えることで、採用確度は高まり、年収交渉もしやすくなります。
利益に貢献しやすいポジション・環境に転職する
前述した通り、WebサイトやWebサービスの目的の多くは、ビジネスの利益につなげることです。その目的に貢献することができれば、Webディレクターとしての実績は評価されやすく、結果的に年収アップにつながりやすい、といえます。
たとえば、ブランド価値を向上させるWebサイトよりも、実際の売上につながるWebサイトを手掛ける方が実績値として分かりやすいでしょう。また複数名で運用するWebサイトよりも、一人で運用するほうが誰の功績が明確になります。環境で言えば、Webを積極的にビジネスに活用する会社であれば、自ずと利益に貢献するチャンスは多くなり、評価を得る機会が増えます。
転職する際には、入社時の年収はもちろんですが、将来的な年収アップも視野に、仕事内容・ポジションをしっかりと確認しておきましょう。
フリーランスや上位職種へのステップアップをする
実力があれば、フリーランス、WebプロデューサーやWebマスターといった上位職種にステップアップすることも可能です。慢性的な人材不足や政府が掲げた働き方改革により、Webディレクターも含め、IT人材は独立しやすくなりました。
フリーランスの収入は働き方によって異なりますが、大きなビジネスにつながるプロジェクトや、大手企業のWebコンサルティングなどにより、1,000万円以上の年収を得ている人もいます。
まとめ
Webディレクターの年収相場は446万円で、クリエイティブ系の職種の中でも高水準です。経済産業省の報告によるIT人材の需要ギャップからも、Webディレクターの需要は今後もますます高まる見込みです。
Webディレクターとして年収を上げるためのキャリアプランは本記事で紹介した通りですが、「現在の自身の市場価値が分からない」「転職時に何をアピールすればよいか知りたい」そういった方は、一度、Webistにご相談ください。Web業界に精通したエージェントが、全力でバックアップします。