Webデザイナーに資格は必要?Webデザイナーにおすすめの資格・検定11選
Webデザイナーになるために資格・検定は必要か?――少しでもWeb業界で働いたことがある人であれば分かると思いますが、実は「Webデザイナーになるための必須の資格」があるわけではありません。実際、資格を持たずに最前線で活躍しているWebデザイナーは多数います。しかしながら「資格・検定をとることに意味がないか」と問われるとそうではありません。今回は、Webデザイナーが資格・検定を取得するメリット、Webデザイナーにおすすめの11の資格・検定を紹介します。
Webデザイナーが資格・検定を取得するメリットとは?
Webデザイナーの知識・スキルを客観的に証明することができる
Webデザイナーに必要な知識・スキルを体系的かつ網羅的に学べる
Webデザイナーにおすすめの資格・検定
1.ウェブデザイン技能検定
2.Webデザイナー検定
3.Webデザイナー試験
4.Webクリエイター能力認定試験
5.HTML5プロフェッショナル認定試験
6.Photoshop(R)クリエイター能力認定試験
7.Illustrator(R)クリエイター能力認定試験
8.アドビ認定アソシエイト(ACA) Visual Design using Adobe(R) Photoshop CC
9.アドビ認定アソシエイト(ACA) Graphic Design & Illustration Using Adobe Illustrator CC
10.色彩検定
11.カラーコーディネーター検定試験
Webデザイナーが資格・検定を取得するメリットとは?
Webデザイナーとしての知識・スキルを客観的に証明することができる
Webデザイナーは業務を遂行する上で「デザインツールの操作スキル」「デザインスキル」「コーディングスキル」などの知識・スキルを求められますが、それらの有無・優劣を採用担当者に提示することは非常に難しいです。経験が豊富であれば、経てきた実績・ポートフォリオによってある程度は伝わりますが、経験の浅い方・未経験の方ではなおさら困難と言えるでしょう。
しかし資格・検定を取得していれば、一定水準の知識・スキルを保有していることを客観的に証明することができます。取得した資格・検定が難易度の高いものであれば、なおさら仕事への熱意や成長への意欲をアピールする材料にもなるでしょう。
Webデザイナーに必要な知識・スキルを体系的かつ網羅的に学べる
Webデザイナーの仕事は大きくは「デザイン」と「コーディング」に分けられますが、実際に行っている仕事の内容は企業やプロジェクト、個人の技能によって様々です。
「Webデザイン」であれば、Webディレクターとともにクライアントとの打ち合わせから参画してデザインコンセプト立案・UI/UX設計などから行う人もいれば、Webディレクターが作成したワイヤーフレームをもとにデザインを行う人や、既存ページの修正・更新デザインのみを行う人もいます。「コーディング」であれば、HTML/CSSコーディングはもちろん簡単なJavaScript・jQuery実装までを行う人もいれば、修正程度のコーディングのみを任されている人や、デザイン専任でコーディングは一切しない人もいます。また当然ながら、デザイン・実装ルールなども一律ではなく、独自の方法を取っている企業もあり、Webデザイナーの業務内容や働き方は十人十色と言えるでしょう。
そこで有効となるのが資格・検定の取得です。Webデザイナーとして必要とされる知識・スキルを、体系的かつ網羅的に学ぶことができます。もちろん中には、既に身につけていた知識・スキルもあると思いますが、学習を通じ理解を一層深めることで、業務のスピード・クオリティアップなどにつなげることができます。
Webデザイナーにおすすめの資格・検定
1.ウェブデザイン技能検定
参考:https://www.webdesign.gr.jp/
Webデザイン系資格の中で唯一の国家資格です。資格取得に向けて、Webデザインだけでなく、インターネットに関連する幅広い知識を身につけることができ、検定に合格すると「ウェブデザイン技能士」の合格証書が発行されます。
試験のレベルは1~3級に分かれていて、「3級」は“Webの作成や運営に関する業務に従事している者および従事しようとしている者”であれば誰でも受験することが可能です。2級は、実務経験や学校卒業・訓練校修了(協会が認めたもの)などの受験資格がありますが、それらがない場合にも3級に合格していれば受験が可能になります。Webデザイナーを本業としたい人・する人であれば、2級取得以上を目指したいところです。
- 運営:特定非営利活動法人 インターネットスキル認定普及協会
- 受験料:実技試験12,500円(非課税)、学科試験6,000円(非課税) ※35歳未満は実技試験7,000円(非課税)
- 受験資格:以下のいずれかに該当する者
・2年以上の実務経験(※1)を有する者
・職業高校、短大、高専、高校専攻科、専修学校、各種学校を卒業又は普通職業訓練(※2)を修了した者 大学(※2)を卒業した者
・高度職業訓練(※2)を修了した者
・3級の技能検定に合格した者
※1)実務経験とは、ウェブの作成や運用、運営、管理に関する業務に携わった経験のこと
※2)学校卒業、訓練修了については、卒業あるいは修了した該当科に協会が定めたウェブの作成や運営に関する科目等が含まれると協会が認めたものに限る - 問題数:合計45問(実技試験(6問中5問を選択)、学科試験40問)
- 試験時間:合計180分間(実技試験120分間、学科試験60分間)
- 合格基準:実技試験100点満点中70点以上(ただし、試験要項に示す各作業分類において配点の60%以上の得点を得ること)、学科試験100点満点中70点以上
- 合格率:30~40%
- 平均勉強時間(目安):公式サイトの記載なし
- 資格有効期限:有効期限なし
2.Webデザイナー検定
参考:https://www.cgarts.or.jp/kentei/about/web/index.html
Webデザインにおいて、一定の条件(コンセプト・日程・予算など)のもとに、コンセプトメイキング・制作・テスト・評価・運用を行うための知識・技術が問われる検定です。国家資格ではありませんが、文部科学省が後援団体で、かつデザインとグラフィックの総合情報誌「MdN」の公認資格となっています。
レベルは、Webサイトの企画・制作・デザインに関する基礎知識の理解をはかる「ベーシック」と、Webデザインに関する専門知識の理解と知識を応用する能力をはかる「エキスパート」の2つがあります。「ベーシック」に合格していなくても「エキスパート」から受験することが可能です。
- 運営:公益財団法人 画像情報教育振興協会(CG-ARTS)
- 受験料:6,700円(税込)
- 受験資格:特になし
- 問題数:10問
- 試験時間:80分間
- 合格基準:70点以上 ※難易度によって多少の変動あり
- 合格率:36.30%(2019年度 後期)
- 平均勉強時間(目安):公式サイトの記載なし
- 資格有効期限:有効期限なし
3.Webデザイナー試験
Webデザインの用語やルール、HTMLやCSSの書式や基本設計など、Webデザインに関する一定レベルの知識を正しく理解しているかを問う試験です。
試験に階級などはなく、受験資格も特にありません。公式サイトに受験対象者として“これからWebデザイナーを目指す学生、社会人の方”という記載もあるように、未経験者または経験が浅い方向けの資格と言えるでしょう。
- 運営:株式会社ボーンデジタル
- 受験料:11,000円(税込)
- 受験資格:特になし
- 問題数:65問
- 試験時間:90分間
- 合格基準:正解率70%以上
- 合格率:59.8%(2019年3月31日現在)
- 平均勉強時間(目安):公式サイトの記載なし
- 資格有効期限:2年
4.Webクリエイター能力認定試験
参考:https://www.sikaku.gr.jp/web/wc/
Webサイト制作のデザイン能力およびWebページのコーディング能力を認定する試験です。レベルは2つに分かれており、HTML5、CSSを用いたWebページのデザインやレイアウト、簡単なコーディングなどを行う知識・スキルが認定される「スタンダード」、ユーザビリティやアクセシビリティを考慮したWebデザイン表現、スクリプトを用いた動きのあるWebページの表示、マルチデバイス対応、新規サイト構築の知識・スキルが認定される「エキスパート」があります。
先にも記載したようにWebデザイナーに求められるコーディングスキルは企業やプロジェクトによって様々で、修正程度のコーディングのみを任される場合や、簡単なJavaScript・jQuery実装までを行う場合もあります。色々な現場で活躍できるようになるためにも「エキスパート」の資格取得がおすすめといえます。
なお「スタンダード」を合格しないと「エキスパート」を受験できない、といったことはありませんので、コーディングスキルに自信がある人は、いきなり「エキスパート」に挑戦してみるのもよいでしょう。
- 運営:株式会社サーティファイ
- 受験料:7,500円(税込)
- 受験資格:特になし
- 問題数:知識問題20問(デザインカンプによる設問15問、文書による設問5問)+実技問題1テーマ(基本ページ1ページと5ページ程度のHTMLとCSSの作成、画像ファイル)
- 試験時間:知識問題20分間+実技問題(テキストエディター使用:110分/Webページ作成ソフト使用:90分)
- 合格基準:知識問題と実技問題の合計得点において得点率65%以上
- 合格率:89.9%(2018年度平均 ※スタンダードおよびエキスパートの累計平均)
- 平均勉強時間(目安):38時間
- 資格有効期限:有効期限なし
5.HTML5プロフェッショナル認定試験
HTML5、CSS3、JavaScriptなど最新のマークアップに関する知識とスキルを認定する試験です。試験のレベルとしては、マルチデバイスに対応したWebコンテンツ制作の基礎スキルを認定する「レベル1」と、システム間連携や最新のマルチメディア技術に対応したWebアプリケーションや動的Webコンテンツの開発・設計スキルを認定する「レベル2」に分かれています。
「レベル1」のコーディングスキルを持っていれば通用する企業・プロジェクトも少なくありませんが、Webデザイナーのスキルの差として分かりやすいポイントとして挙げられるのがコーディングスキルです。さらにWebデザイナーとしての自身の市場価を高めたい人は「レベル2」の取得を目指すとよいでしょう。
なお「レベル2」から受験することはできますが、「レベル2」の認定には「レベル1認定を保持していること」の条件が含まれます。「レベル2」のみに合格しても認定資格は取得できないので注意しましょう。
- 運営:特定非営利活動法人エルピーアイジャパン(LPI-Japan)
- 受験料:16,500円(税込)
- 受験資格:特になし
- 問題数:約60問
- 試験時間:合計90分(秘密保持契約5分+試験80分+アンケート5分)
- 合格基準:約7割程度の正答率
- 合格率:非公開
- 平均勉強時間(目安):2週間~3カ月程度
- 資格有効期限:5年間
6.Photoshop(R)クリエイター能力認定試験
参考:https://www.sikaku.gr.jp/ns/ps/
世界基準のグラフィックツールであるPhotoshop(R)の活用能力を測定・評価する資格検定試験です。問題の指示に従って、限られた時間内にコンテンツを制作する「操作スキル」と、与えられた指示を正確に読み取り形にする「問題解決力」などを、検定試験を通して習得することができます。
レベルとしては「スタンダード」と「エキスパート」の2つがあり、自身のレベルに応じた試験を受験することが可能です。
未経験・経験の浅い人だけではなく、ある程度経験を積んでいるWebデザイナーの人でも、独自のやり方でPhotoshop(R)を使用しているケースも少なくありません。あらためてPhotoshop(R)の使い方をきちんと学びたい人におすすめの資格です。
- 運営:株式会社サーティファイ
- 受験料:7,600 円(税込)/8,600円(税込)
- 受験資格:特になし ※スタンダード/エキスパート共通
- 問題数:実技問題はテーマ別大問7~9問程度、実践問題は1テーマ/知識問題はテーマ別大問4~6問程度、実技問題はテーマ別大問4~6問程度、実践問題は1テーマ
- 試験時間:合計130分間(実技問題40分間、実践問題90分間)/合計140分間(知識問題・実技問題50分間+実践問題90分間)
- 合格基準:実技問題の得点率65%以上かつ実践問題の得点率70%以上/知識問題・実技問題の得点率65%以上かつ実践問題の得点率70%以上
- 合格率:72.3%(2018年度平均) ※スタンダードおよびエキスパートの累計平均
- 平均勉強時間(目安):公式サイトの記載なし ※スタンダード/エキスパート共通
- 資格有効期限:有効期限なし ※スタンダード/エキスパート共通
7.Illustrator(R)クリエイター能力認定試験
参考:https://www.sikaku.gr.jp/ns/il/
Photoshop(R)同様、多くの制作現場で使用されているIllustrator(R)の活用能力を測定・評価する資格検定試験です。Illustrator(R)を使用して、問題の指示に従い新規ドキュメントから1つのグラフィックコンテンツを作り上げる実践的な試験内容です。問題の指示に従って、限られた時間内にコンテンツを制作する「操作スキル」と、与えられた指示を正確に読み取り形にする「問題解決力」などを、検定試験を通して習得することができます。
未経験・経験の浅い人だけではなく、ある程度経験を積んでいるWebデザイナーの人でも、独自のやり方でIllustrator(R)を使用しているケースも少なくありません。あらためてIllustrator(R)の使い方をきちんと学びたい人におすすめの資格です。
- 運営:株式会社サーティファイ
- 受験料:7,600 円(税込)/8,600円(税込)
- 受験資格:特になし ※スタンダード/エキスパート共通
- 問題数:実技問題はテーマ別大問7~9問程度、実践問題は1テーマ/知識問題はテーマ別大問4~6問程度、実技問題はテーマ別大問4~6問程度、実践問題は1テーマ
- 試験時間:合計130分間(実技問題40分間、実践問題90分間)/合計140分間(知識問題・実技問題50分間+実践問題90分間)
- 合格基準:実技問題の得点率65%以上かつ実践問題の得点率70%以上/知識問題・実技問題の得点率65%以上かつ実践問題の得点率70%以上
- 合格率:70.4%(2018年度平均) ※スタンダードおよびエキスパートの累計平均
- 平均勉強時間(目安):公式サイトの記載なし ※スタンダード/エキスパート共通
- 資格有効期限:有効期限なし ※スタンダード/エキスパート共通
8.アドビ認定アソシエイト(ACA) Visual Design using Adobe(R) Photoshop CC
参考:https://adobe.odyssey-com.co.jp/outline/cc-ps.html
アドビが認定するPhotoshop(R)の基本的な利用スキルを証明できる国際資格で、合格者には世界共通の「合格認定証」が発行されます。国際資格のため、海外での就業を目指す上でも役に立つ資格となります。
上位資格として、「Adobe認定 エキスパート(ACE)」「Adobe認定 インストラクター(ACI)」があり、現職Webデザイナーであれば「Adobe認定 エキスパート(ACE)」の取得を目指したいところです。
- 運営:株式会社オデッセイ コミュニケーションズ
- 受験料:10,780円(税込) ※学割価格8,580円(税込)
- 受験資格:特になし
- 問題数:40~45問前後
- 試験時間:50分間
- 合格基準:非公開
- 合格率:非公開
- 平均勉強時間(目安):公式サイトの記載なし
- 資格有効期限:有効期限なし
9.アドビ認定アソシエイト(ACA) Graphic Design & Illustration Using Adobe Illustrator CC
参考:https://adobe.odyssey-com.co.jp/outline/cc-ai.html
アドビが認定するIllustrator(R)の基本的な利用スキルを証明できる資格で、合格者には世界共通の「合格認定証」が発行されます。国際資格のため、海外での就業を目指す上でも役に立つ資格となります。
上位資格として、「Adobe認定 エキスパート(ACE)」「Adobe認定 インストラクター(ACI)」があり、現職Webデザイナーであれば「Adobe認定 エキスパート(ACE)」の取得を目指したいところです。
- 運営:株式会社オデッセイ コミュニケーションズ
- 受験料:10,780円(税込) ※学割価格8,580円(税込)
- 受験資格:特になし
- 問題数:40~45問前後
- 試験時間:50分間
- 合格基準:非公開
- 合格率:非公開
- 平均勉強時間(目安):公式サイトの記載なし
- 資格有効期限:有効期限なし
10.色彩検定
色に関する幅広い知識や技能を問う検定試験です。レベルは、色彩の理論や法則を基礎から学ぶ「3級」、仕事に応用できる各種技法までを学ぶ「2級」、色彩実務担当者として色彩設計に携わることができる力が身に付く「1級」の3つがあります。すべてについて受験資格の制限はなく、どの級からでもチャレンジできますので、自身のレベルに応じた試験を受験することが可能です。
また3級~1級とは別に、色覚の多様性に関する知識を深める「UC(色のユニバーサルデザイン)級」があります。「ユニバーサルデザインを意識したWebデザイン」ができる一つのアピール要素にもなるので、「UC級」はWebデザイナーにとって取得価値のある検定といえます。
- 運営:公益社団法人 色彩検定協会
- 受験料:7,000円(税込)/6,000円(税込)
- 受験資格:特になし ※3級/UC級共通
- 問題数:非公開
- 試験時間:70分間/60分間
- 合格基準:70%前後(問題の難易度により多少の変動あり) ※3級/UC級共通
- 合格率:74.4%/88.6%(2019年度)
- 平均勉強時間(目安):公式サイトの記載なし
- 資格有効期限:有効期限なし
11.カラーコーディネーター検定試験
参考:https://www.kentei.org/color/
仕事に役立つ実践的な色彩の知識を学ぶことのできる検定試験です。レベルは、日常から見た色彩に関する基礎的な知識について理解していることを認定する「スタンダードクラス」と、ビジネスにおける色彩の活用事例など幅広い知識を持っていることを認定する「アドバンスクラス」の2つがあります。
「スタンダードクラス」を合格していなくても「アドバンスクラス」から受験することができ、また試験は同日の午前と午後に分かれているので併願受験も可能となっています。
- 運営:東京商工会議所
- 受験料:5,500円(税込)
- 受験資格:特になし
- 問題数:非公開
- 試験時間:120分間
- 合格基準:70点以上
- 合格率:非公開
- 平均勉強時間(目安):公式サイトの記載なし
- 資格有効期限:有効期限なし
まとめ
Webデザイナーになるために資格・検定は必要ありません。しかしながら、資格・検定の取得に意味がないわけではありません。
たとえば転職時など、可視化しづらいWebデザイナーの知識やスキルを客観的に証明する材料となります。また、部分的な業務に従事している方や経験が浅い方で「知識やスキルに偏りがある」と感じている方であれば、資格・検定の取得を目指して体系的かつ網羅的に学ぶことで、様々な現場で通用する知識・スキルを身に付けられます。一緒に働くメンバーとの意思疎通に悩んでいる方は、相手側の業務に関連する資格・検定を取得することで、コミュニケーション改善につなげられるでしょう。
今回紹介した11の資格・検定の中には、今の自分に役立つものがきっとあるはずです。積極的にチャレンジしてみましょう。資格・検定の取得を含めて、キャリア相談をしたい方は、ぜひ一度、Webistまでお問い合わせください。