「生まれ育った土地を離れて自然豊かな土地で暮らしたい」「穏やかな生活に憧れる」という考えを持ち、札幌への転職を希望する方はたくさんいらっしゃいます。こちらでは、そのような考えをお持ちの方に、札幌の求人状況や、東京と比較した際の住み心地など、Iターンを検討されている方に役立つ情報をご紹介します。
札幌への移住を考えた場合、特に気になるのが求人状況です。どのくらいの倍率で募集されているのか、転職の難易度はどうかなど、札幌の求人状況について詳しくお伝えします。
有効求人倍率とは、雇用動向を示す指標のひとつで、厚生労働省が調査をして毎月発表している情報です。「有効求人数」を「有効求職者数」で割って算出し、この数値が1より下回ると仕事を探すのが難しいとされています。札幌の場合、2018年7月時点の統計は1.16倍。全国的にみると高い数値ではありませんが、2015年9月以前は1.0を下回っており、雇用情勢は改善してきていると言えます。
難易度は低くはありませんが、札幌の中ではIT企業への転職率が比較的に良好と言えます。これは、全国的なIT人材不足ということもありますが、札幌市がIT産業の発展に力を入れているという自治体の取り組みが背景にあります。
しかしながら転職時期・経済状況によって左右されるため実際に転職活動をする時には、まずは下見を兼ねて転職フェアを活用してみることおすすめします。事前に計画を立てることができて、Iターン転職にありがちな、「職場や地域のコミュニティに馴染めない」「年収が下がり生活しづらくなってしまった」といったトラブルも防ぐことができるため、今の環境と比較して転職先を探してみてください。
初めて札幌に住むという方は、転職前に住み心地を確かめておくことが大切です。東京と比較した場合の違いを「環境」と「生活費」で分けてご紹介します。
札幌は、東京23区の約2倍の広さがあります。北海道経済の中心的役割を担う大都市です。「北海道は自然が豊か」というイメージをお持ちの方もたくさんいらっしゃると思いますが、中心地である札幌には多くの高層ビルが立ち並んでいます。百貨店やアパレルショップ、飲食店など、さまざまなお店が集結しているので、東京から移住した場合でも、住みにくいと感じることはほとんどないでしょう。
東京と比較した場合、生活費にはどのような違いがあるのでしょうか。「家賃」「暖房費」「交通費」「国民健康保険」を例に見てみましょう。
家賃は比較的、安い傾向にあります。価格は、東京の1/3程度です。1DKの物件なら、中央区でも2~3万円で済みます。東京の場合は、同じ条件の物件でも6~10万円はかかるため、札幌に移住することで、家賃を大幅に節約することができます。
北海道は寒い時期が長いため、その分暖房費が高くなります。多い時は、暖房費だけで電気代が1万円を超えることもあり、雪国ならではの問題を体感することもあります。
寒い時期は、10月~4月まで続くので、その点は注意が必要です。また、賃貸物件には暖房器具が備え付けられている場合がありますが、“熱源は何か”という点もチェックしておくことをおすすめします。「灯油」「ガス」「電気」などがあり、この並び順に費用が上がります。暖房費をできるだけ抑えたいという方は、しっかりと確認しましょう。
バスや地下鉄の料金は、東京よりも割高です。東京メトロが3km区間170円なのに対し、札幌の市営地下鉄は200円と30円の差があります。少々高いと感じるかと思いますが、会社の近くに住むことによって交通費を削減できるので、物件を探す場合は、IT企業が集結する中央区を選んでみてください。
札幌の国民健康保険は、少々割高という意見をよく耳にします。これは、「医療費が高い」「保険料の未払いが多い」ということが原因です。保険料は、全国一律というわけではありません。自治体によって差があるため、他の土地に移住を考える場合は、今、支払っている金額と比較することが大切です。
札幌の求人を探す際の注意点を、いくつかご紹介します。
目的がないままIターン転職を決めると、失敗してしまう場合が多々あります。しっかり下調べをしたつもりでも、実際にその土地で勤務してから不満が出てくることもあります。そうならないために「○○○○ができるから仕事を楽しめそう」「自分の生活スタイルの○○○○と両立できそうだから、この会社に勤務したい」というように、目的を決めてから行動に移してみてください。
札幌の雇用情勢は改善してきているといっても、すぐに転職先が見つかるというわけではありません。基本的に、転職先を決める前に退職するのは避けるようにしましょう。理想の求人がなかなか見つからず、焦って自分に合わない企業に転職してしまう可能性もあります。また、年収が大きく下がってしまうこともあり、じっくり求人に目を通すことが大切です。
新しい土地で、新しい仕事にチャレンジしたいと思う方も少なくありません。しかし、慣れない土地で今と異なる職種に就くと、職場のコミュニティに馴染めず、ストレスになってしまうことがあります。また、仕事ですぐに成果を出すのが難しいため、肩身の狭い思いをすることもあります。そうならないためにも、今までと同じ業界の求人を探すのがおすすめです。
長時間の通勤が苦にならないからと言って、住む場所と勤務地が遠く離れてしまうのはおすすめできません。北海道は雪国であることを考えると、その影響で交通機関が停止して通勤できなくなることもあります。これまでと同じ条件で働くことができる企業でも、勤務地はどこなのか忘れずにチェックしましょう。
ここまで、札幌の求人状況や東京と比較した際の住み心地、求人を探す際の注意点をお伝えしました。大都市である東京から札幌へ転職というのは大きな決断でもありますが、環境の違いをしっかりと比較し目的を決めてから行動に移せば良い求人に巡り合うことができるでしょう。先に移住してから環境に馴染めず、転職を繰り返してしまうことのないようここでお伝えしたことを実践し、満足いく転職活動を進めてみてください。