Webコーダーの上位職と位置づけされるマークアップエンジニア。さらなるキャリアアップを目指すためには、どのように動けばよいのでしょうか?ここでは「キャリアアップのための転職」をテーマに、その成功のポイントをみていきましょう。
「キャリアアップを目指す」と言っても“アップ”させたい内容は、給与であったり、役職・ポジションであったり、職務内容であったり、人によってバラバラでしょう。転職を機にキャリアアップを目指すのであれば、まずは自分が最終的にどうなりたいのかを考えた上で、今後の人生プランを考えていくことが大切です。面接で転職の理由を聞かれた際にもハッキリと言えるくらいの内容を書き起こしておきましょう。
当たり前のことですがキャリアアップ転職のためには、まずは転職先を見つけなければいけません。ここで注意したいのが、最初から選り好みをしてしまわないこと。慎重に事を進めるのは良いのですが、転職に時間がかかってしまいますし、求人情報を見る目も養われません。いろいろな求人情報サイトを活用することはもちろん、「転職支援サービス」を運営している会社にも積極的に登録しましょう。
キャリアアップ転職を考えている方であれば、相応のキャリアを積んできた自負があることでしょう。求人企業に自分が今まで何をしてきたのかを効果的にアピールする、そこで使うのがポートフォリオです。ポートフォリオは自分の経歴やスキル、実績などがひと目で分かるため、クリエイティブ関係の転職において、職務経歴書と同様に重要な資料です。マークアップエンジニアの場合は、制作に携わったサイトだけでなく、開発の規模感や制作体制、ユーザビリティ・アクセシビリティ、SEOなどで考慮した点などが伝わるように、しっかりと作り込みましょう。
求人企業が転職者に求める「経験」「スキル」「人材」はどんなものなのでしょうか。ポートフォリオや職務経歴書などで上手にアピールするためにも、企業視点も知っておきましょう。
Webコーダーの上位職と位置づけられているマークアップエンジニア。より高いコーディングスキルやJavaScriptやPHPなどのプログラミングスキルをはじめ、セマンティックを意識したWebサイト制作スキル、ユーザビリティを考慮したデザイン知識、SEOの知識など、幅広いスキル・知識が必要とされるでしょう。新人や後輩に指導ができるレベルであると、企業にとって、より必要とされる人材になれます。
マークアップエンジニアは、サイト制作は多くの専門知識を持つ人達と関わり作り上げる仕事であるため、統率力(人をまとめる能力)がある方は重宝されます。プロジェクトやチームのリーダー経験があれば、積極的にアピールしていきましょう。
先にも言ったように、サイト制作は多くの専門知識を持った人達が集まり、1つのWebサイトを制作していきます。そのため、他者と別け隔てなく協力し、業務を進められる人材が必要になります。コミュニケーション能力はもちろんのこと、プロジェクトやチームのモチベーションを高めるような人物が求められます。
すでに実務を経験されている方であればご存知のことですが、マークアップエンジニアに必要な資格はありません。ただし転職時には、第三者にスキルを提示できるものとして、資格を取得することをおすすめします。特にWeb業界において、マークアップエンジニアはデザインスキルが弱いというイメージを持っている方も多いようです。このようなイメージを払拭するために、あえてWebデザインに関連する資格を取得し、転職を有利に進めることもひとつの手です。
Web制作に関係する資格は数多くありますが、ここでは基本的な知識を身につけられる資格をご紹介します。
・Webクリエイター能力認定試験(エキスパート)
W3Cに完全準拠した、セマンテックなマークアップスキルを測定する、民間の認定資格です。マークアップエンジニアだけではなく、WebデザイナーやWebディレクターなど、Web業界に携わる方にすすめの資格です。スタンダードとエキスパートが分かれていますがキャリアアップ転職を考えているのであれば、エキスパートの資格を取得しておきましょう。エキスパートの試験では、ユーザビリティ・アクセシビリティが考えられたサイト制作、スクリプトを使った動きのあるサイト制作などに関連する問題が出題されるため、それらの知識・スキルを持っていることが証明できます。
・HTML5プロフェッショナル認定試験(レベル2)
Webプロフェッショナルの知識と技術を認定する、民間の認定資格です。HTML5の名称がついていますがレベル2になると、Web制作における様々なスキル・知識が求められ、特にJavaScriptの問題が多くを占めています。合格率などは公表されていませんが、ほかのWeb関連資格と比較すると難易度は高いと言われています。その分、第三者にスキルを提示するには十分に効力のある資格と言えます。
・アドビ認定エキスパート
IllustratorやPhotoshopといった、アドビソフトに関する認定資格です。マークアップエンジニアに直接関わるものではありませんが、Webデザインに関わる仕事をする上で役に立ちます。ソフトの知識に自信がない方は、資格の勉強をしつつ知識を蓄えてみましょう。
Web業界では、資格よりもスキルが優先される実力主義な面があります。そのため、資格取得を目標にするだけでなく、自分の中に知識を蓄えスキルとして昇華することが重要です。
マークアップエンジニアの「キャリアアップのための転職」をテーマにお伝えしてきましたが、いかがでしたでしょうか?これまでご紹介してきたポイントをおさえて転職活動に臨みましょう。今すぐに転職を考えていない方も、未来を見据えて準備しておくことが大切です。そうすることで、自分が納得のいくキャリアを積み重ねていくことができるはずです。