未経験からフロントエンドエンジニアになるには?実際の求人をもとに年収やキャリアパスまで解説

Web技術の進化に伴い、現在のWeb制作において欠かせないポジションと言われるフロントエンドエンジニア。今回は、フロントエンドエンジニアの仕事内容や未経験から目指すための方法、年収やキャリアパスについて解説します。

■目次
1. フロントエンドエンジニアの仕事内容は?マークアップエンジニアとは何が違うの?
 1-1.フロントエンドエンジニアの仕事内容
 1-2.フロントエンドエンジニアとマークアップエンジニアの違いは?
2. 実際の求人で丸わかり!フロントエンドエンジニアの年収&キャリアパス
 2-1.「未経験者歓迎」のフロントエンドエンジニア求人例
 2-2.「経験者優遇」のフロントエンドエンジニア求人例
 2-3.フロントエンドエンジニアの年収は?
 2-4.フロントエンドエンジニアのキャリアパスは?
3. 未経験からフロントエンドエンジニアの求人に応募するには
4. 無料でスタート! 未経験からフロントエンドエンジニアになるための方法、メリットとデメリット
 4-1.専門学校、プログラミングスクールに通う
 4-2.ハローワークで申し込める職業訓練校を利用する
 4-3.求人媒体社のスキルアップ講座を利用する
 4-4.初心者歓迎の求人に応募して実務経験を積む
 4-5.悩むより行動、プロの転職支援を受けてみよう

フロントエンドエンジニアの仕事内容は?マークアップエンジニアとは何が違うの?

Web技術の発展に伴い、コーダーやマークアップエンジニアの上位職として生まれたフロントエンドエンジニア。現在のWeb制作において欠かせないポジションと言われますが、具体的には何が必要になるのでしょうか?詳しく見ていきましょう。

フロントエンドエンジニアの仕事内容

フロントエンドエンジニアは、WebサイトやWebアプリケーションの制作において、ユーザーが目にする領域(インターフェイス)に関連する設計、構築、カスタマイズなどを全般的に担うポジションです。高度なコーディングやマルチデバイス対応のスキルはもちろん、バックエンド(サーバーやデータベースなど、サイト内部の処理)との連携が求められるため、PHPなどのサーバーサイド言語の知見も必要です。
また、Webサイトを制作する上で最適な技術を選択するのもフロントエンドエンジニアの役割です。Webディレクターからの要求に応え、Webデザイナーと実現性について議論し、コーダーからは技術的な相談を受け、バックエンドエンジニアと連携する……という、各ポジションのハブ的な存在となるのもフロントエンドエンジニアです。技術に加え、各ポジションの知識とコミュニケーション能力も求められる、大変重要な職種といえます。

フロントエンドエンジニアとマークアップエンジニアの違いは?

フロントエンドエンジニアとマークアップエンジニアの違いは企業によってさまざまですが、大きな違いはサーバーサイドとの連携の有無です。それぞれの役割は、以下の通りです。

・マークアップエンジニア……Webデザイナーが設計したレイアウトを、アクセシビリティやSEOなどのユーザビリティを意識しながら最適な形でコーディングする
・フロントエンドエンジニア……設計したWebコンテンツを、プログラミング言語を用いて動かせるようにする。サーバーとの連携までを含めたフロントエンド全体の開発を手がける

このように、フロントエンドエンジニアはマークアップエンジニアの仕事を内包することが多々あり、マークアップエンジニアの上位職と位置づけられます。また、マークアップエンジニア・フロントエンドエンジニアが最低限カバーすべき知識は以下の通りです。

マークアップエンジニア……HTML、CSS、JavaScript、SEO知識など
フロントエンドエンジニア……上記に加え、PHPなどのサーバーサイドの知識、CMS構築スキル、UI/UX知識、PhotoshopやIllustratorなどWebデザインの知識など

実のところ、フロントエンドエンジニアの仕事には「ここまでカバーすれば十分」という境界がありません。案件によってはwebデザインの知識やマーケティング、セキュリティへの知見まで求められることもあります。

▶マークアップエンジニアのキャリアアップ転職を実現!成功のポイントとは?
https://webist-cri.com/article/detail/1141

実際の求人で丸わかり!フロントエンドエンジニアの年収&キャリアパス

実際のフロントエンドエンジニアの求人を参考にしながら、年収とキャリアパスについて紹介します。以下は、よくある求人例をもとに作成した求人票です。未経験者に求められるものと、経験者に期待されるものの違いに注目してみましょう。

「未経験者歓迎」のフロントエンドエンジニア求人例

未経験者歓迎のフロントエンドエンジニアの求人例は以下の通りです。マークアップエンジニアとしての経験を前提に、HTML、CSS、JavaScriptによるサイト構築を中心に任されることが多いようです。実際にマークアップエンジニアからフロントエンドエンジニアにキャリアアップする人は多数います。
フロントエンドエンジニアはさまざまなポジションとの連携が必要になるため、開発環境や業務フロー効率化への意欲・関心の有無が適性の1つと捉えられます。

求人例

マークアップエンジニアから挑戦!実務未経験OKのフロントエンジニア

雇用形態 正社員
収入 年収300万~400万円
業務内容 Webサービスのフロントエンド開発を行っていただきます。経験やスキルに合わせて、上流工程から下流工程まで幅広くお任せします。未経験の方はHTML・CSS・Javascriptを使用したマークアップから始め、徐々に設計などの上流工程をお任せします。
募集要件 【必須の経験・スキル】
・HTML、CSS、JavaScriptの技術スキル
・Gitなどのバージョン管理の使用経験
【歓迎する経験・スキル】
・Node.js、CoffeeScriptなどを用いた開発経験
・React.js、Angular、Vue.jsなど、JavaScriptのモダンフレームワーク使用経験
・PHP、Ruby、MySQL等に関する知識
・Webデザイン・UI/UX設計に関する知識
・デジタルマーケティングに関する知識
・プロジェクトの開発環境や業務フローの効率化についての意欲と関心

「経験者優遇」のフロントエンドエンジニア求人例

フロントエンドエンジニア経験者の応募を歓迎している求人例は以下の通りです。経験者は開発業務に限らず、デザイン設計などの上流工程に携わったり、データベースの読み出しなどのサーバーサイドと連携したページ制作も行ったりと、幅広い活躍と高いスキルが期待されます。

求人例

フロントエンドエンジニア

雇用形態 正社員
収入 年収500万円~800万円
業務内容 Webサイト、スマートフォンアプリ、業務支援システムなど、自社が提供するサービスのフロントエンド領域全般を担当いただきます。
ユーザビリティを考慮したデザイン設計に始まり、開発、テスト、運用、その後の改善提案まで、一連の工程に携わっていただきます。
募集要件 【必須の経験・スキル】
・HTML、css、JavaScriptを利用した開発経験(実務5年程度)
・React.js、Angular、Vue.jsなど、JavaScriptのモダンフレームワーク使用経験
・WordpressなどCMSの構築経験
・Gitを使ったソース管理
・フロントエンド設計、要件定義の経験
・外部エンジニア含めたマネジメント、チーム構築の経験
【歓迎する経験・スキル】
・PHP、Ruby、MySQL等に関する知識
・Webデザイン・UI/UX設計に関する知識
・デジタルマーケティングに関する知識
・SketchやAdobe XD等のデザイン系ソフトウェアの利用経験
・大規模サービスの負荷を考慮した設計・開発・運用スキル
・仕様書やガイドライン等ドキュメントの制作経験

フロントエンドエンジニアの年収は?

フロントエンドエンジニアの平均年収は、転職サービスdodaの調査によると425万円です。年代別の平均年収は以下の通りです。

平均年収 425万円
20代 360万円
30代 486万円
40代 573万円
50代 652万円

※出典:転職サービスdoda 平均年収(2017年9月~2018年8月)
https://doda.jp/guide/heikin/syokusyu/#anc_job_07

上記の表はあくまでも平均であり、個人の能力に応じて年収差が大きいのが特徴です。転職を重ねることで年収を上げる人も多く、年収700万以上のフロントエンドエンジニアも少なくありません。年収をアップしようと思うと、見合うだけのスキルが求められます。
年収アップのためには日々の努力が欠かせません。特にフロントエンドエンジニアの場合は、連携する領域が幅広いこともあり、最新の技術にキャッチアップしていくことが必要になります。勉強会などを通じて、継続的に学び続ける姿勢が大切です。

フロントエンドエンジニアのキャリアパスは?

未経験からフロントエンドエンジニアになった後は、Web業界でどのようなキャリアパスが見込めるでしょうか?

フロントエンドエンジニアになった後に見込めるのは以下の2つです。

・大手・有名企業のフロントエンドエンジニアとして転職
・フリーランスとして独立

フロントエンドエンジニアは今のところ、WebサイトやWebアプリケーションなどのインターフェイスを構築する職種の中で、最上位職といえます。コーダーやマークアップエンジニアからフロントエンドエンジニアを目指す人は多い一方で、フロントエンドエンジニアになってからは別の職種を目指すというよりも、転職や独立を通してキャリアアップする人が大多数です。

未経験からフロントエンドエンジニアの求人に応募するには

ここまで、実際の求人をもとにフロントエンドエンジニアの年収やキャリアパスについてお伝えしました。続いては、未経験からフロントエンドエンジニアの求人に応募するために必要な準備を紹介します。
まず、履歴書・職務経歴書を用意しましょう。また、未経験・初心者でも「ある程度の知識や学習経験がある」前提で募集がかかります。必須ではありませんが、「何を勉強し、どんなことができるか分かる」ポートフォリオがあると便利です。基礎となるコーディングの実績に加え、動きのあるWebサイトの作成もできることがアピールできると大きな武器になります。
また、ポートフォリオ代わりに「GitHub」で自分のソースコードを公開することも有効なアピールとなります。GitHubを頻繁に更新し、日々技術研鑽に励んでいると伝えましょう。
ポートフォリオ作りに関しては、以下のコラムも参考にしてみてください。

▶そもそも、ポートフォリオとは?
https://webist-cri.com/article/detail/763
▶ポートフォリオを簡単に作成できるサイト
https://webist-cri.com/article/detail/2272

無料でスタート! 未経験からフロントエンドエンジニアになるための方法、メリットとデメリット

未経験から独学のみでフロントエンドエンジニアになるのは、ハードルが高いのが実情です。無限とも言えるほど学ぶことがある職種なので、知識やスキル習得の優先順位づけや取捨選択は独学では困難です。
未経験からフロントエンドエンジニアになるには以下の4つの方法がありますが、Webist編集部では、未経験者はコーダー・マークアップエンジニアとして経験を積み、フロントエンドエンジニアにキャリアアップしていくことをおすすめします。

・専門学校、プログラミングスクールに通う
・ハローワークで申し込める職業訓練校を利用する
・求人媒体社のスキルアップ講座を利用する
・初心者歓迎の求人に応募して実務経験を積む

それぞれの詳しい内容とメリット、デメリットを以下に解説します。

専門学校、プログラミングスクールに通う

Web制作や開発に特化した専門学校やプログラミングスクールに通うことで、フロントエンドエンジニアに求められる知識やスキルを効率的に勉強することができます。基礎のコーディングに加えてデザインやバックエンドの知識を教えてくれる学校もあります。
受講期間や費用の確保は必要ですが、挫折しにくい手段なので、選択肢に入れておきましょう。

料金 数万円~数十万円
期間 数ヶ月~数年
メリット 挫折しにくい、効率的に知識を身につけることができる、のちの実務に役立つスキルを同時に学べる、働きながら通える専門学校やスクールもある、求人を紹介してもらえることがある
デメリット 受講期間が長い、費用が高額

ハローワークで申し込める職業訓練校を利用する

職業訓練校とは、国や自治体が運営している、就職・転職に必要な知識やスキルを学ぶための施設で、ハローワーク経由で申し込みができます。
フロントエンドエンジニア向けに特化した講座はほとんどないので、コーディングを学ぶことができるWebデザイナー向けの講座に参加しましょう。遠回りに感じるかもしれませんが、フロントエンドエンジニアはWebデザイナーとともに業務をするため、Webデザインを知っておくと実務で役立つというメリットがあります。経験しておいて損はありません。
就職に直結する支援も用意されている点で魅力的ですが、申し込みに関する条件と受講人数の定員に注意が必要です。

料金 無料~数千円(補助金が支給される場合もあり)
期間 半年程度
メリット 格安で受講できる、ポートフォリオ制作や転職活動に注力できる、基礎的な知識が身につく、求人を紹介してもらえることがある
デメリット フロントエンドエンジニアに特化した講座がない、受講要件を満たす必要がある、受講要件を満たしていても定員がある

ハローワーク・職業訓練校について詳しく知りたい方は、以下の記事もご覧ください。

▶ハローワークって何をしてくれるところ?
https://webist-cri.com/article/detail/2373
▶無料で学べる?補助金も出る!?職業訓練校って何?
https://webist-cri.com/article/detail/2430

求人媒体社のスキルアップ講座を利用する

求人媒体社が用意する「スキルアップ講座」を利用するのも一つの方法です。知識やスキルを学ぶことができるだけでなく、就職に直結する情報を得ることができます。
ただし、求人媒体社のスキルアップ講座も、フロントエンドエンジニアに特化したものはほぼないのが実情です。利用できる機会があったら、チャンスを逃さないようにしましょう。

料金 無料
期間 1日~1ヶ月
メリット ほぼ無料で受講できる、転職に役立つノウハウが身につく、求人を紹介してもらえることがある
デメリット フロントエンドエンジニアに特化した講座がない、募集枠が不定期・限られている、求人媒体者への登録が必要、受講後の求人応募が条件の場合がある

初心者歓迎の求人に応募して実務経験を積む

初心者歓迎の求人に応募して実務経験を積むことがフロントエンドエンジニアになるための近道となることがあります。
まずはコーダーからキャリアを始め、一緒に働くフロントエンドエンジニアの仕事を観察しながら、求められる役割を理解していきます。初心者コーダーを募集する求人は比較的豊富なので、必要な知識やスキルを獲得しながら、フロントエンドエンジニアへのキャリアアップを目指しましょう。
未経験の場合は人物評価が重視されるため、転職支援サービスを活用して面接に備えることをおすすめします。

料金 無料(有給)
期間 企業によって異なる
メリット 収入を得ながら学べる、実務経験が積める
デメリット 多くの場合コーダーからのキャリアアップが必要、フロントエンドエンジニア未経験者歓迎の求人が少ない、人物評価が重視される
▶面接の自己紹介では何を話す?クリエイティブ職ならではの自己紹介法
https://webist-cri.com/article/detail/1449

悩むより行動、プロの支援を受けてみよう

未経験からフロントエンドエンジニアを目指すなら、求人媒体に登録して転職支援サービスを受けることがおすすめです。未経験からでもフロントエンドエンジニアになることは可能ですが、多くの場合コーダーやマークアップエンジニアからのスタートとなります。目標に向かって経験を得られる求人を、プロが親身に紹介してくれます。悩みや迷いがある場合は、転職支援サービスをぜひ活用してみてください。

まとめ

フロントエンドエンジニアは幅広い知識やスキルに加え、バックエンドや各ポジションとの連携も求められます。未経験から飛び込むのは簡単なことではありませんが、その分やりがいに溢れ、スキルに伴って年収が上がる職種です。未経験だからと尻込みせず、すぐにでも行動しましょう。

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