就職をはじめ、会社と個人のやり取りでは必ず書類の提出が求められます。退職を希望する際に退職届や退職願が必要になることがありますが、この違いが明確にわからないという方も多いようです。
転職を考えているなら、２つの違いや退職届に書くべき内容、退職を相談するタイミングなどを確認しておきましょう。正しい退職届の書き方を知ることで、スムーズに転職活動が始められます。
転職を考えると、「退職届を書かなきゃいけない」「仕事を探さなきゃいけない」など、考えることが山のようにありますが、行動に出る前に確認や準備をしておきましょう。
そもそも、法律上退職する際に会社に届け出を提出しなければ辞められないものなのでしょうか。退職届については民法に定めがありますが、第627条では期間の定めのない雇用契約について解約を労働者側から申し入れれば、そのまま雇用契約は終了することになっています。
そのため、就業規則を確認して、そこに退職届や退職願について書かれている場合にのみ退職届を提出すると良いでしょう。ちなみに、解雇や会社都合の人員整理などであれば退職届を書く必要はありません。事前に就業規則を確認しましょう。
もし、心の中で退職の決意が固まった場合でも、いきなり退職届を出すようなことはマナー違反となりますので、退職届や退職願は上司やチームでの話し合いが進んでから提出する場合が多くあります。まずは、直属の上司へ退職の時期などを含めて相談しましょう。退職を希望する日よりも半年前なら、引き継ぎや後任の教育が十分に行えるでしょう。
会社と労働者は雇用契約を交わしているため、きちんと書類を交わして退職する必要があります。退職の流れに応じて必要書類を提出しましょう。また、雇用関係によって必要な書類が変わることがありますので総務部などに確認する場合もあります。
退職する日が決まっておらず、退職の願い出をする際に直属の上司に提出するのが「退職願」という書類です。これは必ずしも提出する必要はなく、口頭でも「退職する」という決意を伝えることはできます。提出後は退職に向けて日程の決定や引き継ぎのスケジュールを進めることになります。
退職が確定したら提出するのが「退職届」です。通常退職願を提出した後に退職届が提出されます。退職届は上司ではなく人事に提出するケースもあります。
退職届と勘違いする人が多いのが「辞表」です。辞表は会社とは雇用関係にない人や公務員が提出する書類であるため、一般社員とは関係ありません。
退職届には履歴書や職務経歴書とは違う決まりがあるため、フォーマットや内容を確認してから書き始めましょう。
退職届は本人が書いた証拠として提出するため、手書きで提出しなければならないケースが多くあります。手書きの書類は鉛筆やフリクションボールペンではなく、必ず黒インクで書きます。パソコンで文面を書いて提出する場合でも、認印は必ず自分で押印しましょう。
縦書きの場合、タイトルの「退職届」は真ん中よりも少し上に位置するように書きます。
冒頭の書き出しは時節の挨拶を省き「わたくしごと」という意味の「私事」を入れ、簡潔に始めます。退職理由も詳細に記さなくて大丈夫です。退職届の際には「退職いたします」で良いのですが、退職願の際には「退職いたしたく、ここにお願い申し上げます。」と記載します。
この後は提出する日付と所属する部署、氏名を記入し、氏名の下に押印します。
最後に宛先を記載しますが、提出する先がどこであっても、代表者の名前を記載します。以下が続きの例文です。
退職届を入れる封筒にもフォーマットがあります。表には退職届を示すタイトルだけでいいですが、裏には退職時点での自分の所属や氏名を記載してください。例を下に示します。
（裏面）
書いた後は日付や氏名など、間違いや抜けがないかチェックして提出します。
退職する際に提出する書類についてみてきましたが、情報を整理すれば何をいつ出すべきなのか分かり、スケジュールが立てやすくなります。会社によっては、退職届を出す必要がないケースもありますが、契約を締結したり解約したりする場合は、きちんとした書類のやり取りをおすすめします。転職の際は、次の仕事探しなど様々にすることが多くありますが、退職届は不備なく提出し、次の準備をしましょう。
