いまや企業がビジネスにWebを活用するのが当たり前の時代となっています。それに伴ってWeb制作のニーズも高まり続けており、Web制作の進行役であるWebディレクターの募集も多くなってきました。Webディレクターという仕事は、たくさんのスキルが必要になるため経験者募集の求人がほとんどですが、中には未経験募集の求人もあります。本稿では未経験から転職を成功させるための3つの方法をご紹介していきます。
未経験からWebディレクターというと、「経験者しか受け入れてくれないはず」と思い込んでいる人も多いのではないでしょうか。実際、Webディレクターにはたくさんのスキルが必要になってくるため、未経験から簡単に転職できるわけではありません。
未経験歓迎の求人もあった場合にも、その競争率は高く、合格までの道のりは険しいものと言えます。しかし、以下の3つのポイントを押さえておけば、合格の可能性を高めることができます。
1.Webディレクターに必要な能力をまず知る
2.Webディレクターに活かせそうな経験をピックアップする
3.Webディレクターに活かせそうな情報や資格試験を受けておく
1つずつ、ご紹介していきます。
それではまず、Webディレクターに必要な能力を知ることからはじめましょう。Webディレクターの仕事では、「クライアントが目指すものを理解し、仕様に落とし込めること」「実施可能な計画を立てられること」「関係者、メンバーにそれを理解・実行させられること」「納期に遅れないように計画を遂行できること」の4つの能力が重要です。
この4つに対してどんな能力が必要とされるのか、箇条書きでまとめてみます。
・クライアントが目指すものを理解し、仕様に落とし込める…情報収集力・ヒアリング力・想像力・企画力
・実施可能な計画を立てられる…スケジュール策定・工数見積・メンバーのスキル把握の能力
・関係者、メンバーにそれを理解・実行させられる…コミュニケーション能力・リーダーシップ・マネジメント力
・納期に遅れないように計画を遂行できる…進行管理・調整力・先読み力
未経験の職種にチャレンジする場合は必要な能力を分解して考え、何がすでに身についていて、何が不足しているのか把握しましょう。
では次に先ほどピックアップした能力を見て、Webディレクターに活かせそうな経験を、過去の仕事経験から引っ張り出して自己PRができる状態にしましょう。
さまざまな能力の例を挙げましたが、未経験の場合はとくにコミュニケーション能力と先読み力、スケジュール策定能力などが重視されることが多いので、その3つをアピールすると考えて例をご紹介します。
私は営業職として勤務してきたため、クライアントの真の要望を質問で引き出すコミュニケーションを学び、実践してきました。私が取り扱っていた商材Aは1回で取引が終了してしまう特徴を持っているのですが、8割のお客様からリピートで別商材をご依頼いただくという結果を3年間守ることができました。
これもクライアントの意向をよく読み取ることができたからだと思っております。Webディレクターはクライアントの思いを具現化する仕事ですので、表出していないものを引き出す力は今後も活かせるのではないかと思っております。
私は営業職として働いておりましたが、社内外を交えたプロジェクトを任せられることが多くありました。そのときの経験がWebディレクターとしての仕事にも活かせると感じております。
プロジェクト進行をしていくうちに遅れが発生したポイントを分析して改善するというサイクルを繰り返したことにより、遅れが発生するであろうポイントを先読みすることができるようになりました。
クライアントに納品する際にも、さまざまなトラブルを回避する力は重要だと思いますので、この先読み力でクライアントに信頼されるWebディレクターになりたいと考えております。
大前提として、Webに関する知識やディレクションがどういうものかを勉強しておくことは必須と考えてください。Web業界ではどんな仕事の進め方をするのか、実際にどんな問題が起きるのか、その対処方法などがまったくわからないと採用の可能性が下がってしまいます。
Web業界にいた、あるいはクリエイターとしてディレクションを受けたことがあるなどの経験があればよいですが、ない場合は自分で資格試験などを受けて熱意をアピールしましょう。Webに関する網羅的な知識が学べる『ITパスポート試験』や『基本情報技術者試験』など、一度は体系的に学んでおくと後々役立ちます。知識がない状態で運良く受かったとしても入社後に苦労してしまいますので、入社までになるべく予習をしておくとよいでしょう。
Webディレクターの職種は経験者募集の求人がほとんどですが、中には未経験募集の求人もあります。
「自分の経験じゃ無理…」などと諦めず、ぜひチャレンジをしてみてください。