日本では終身雇用制度が長く続いていたことから、今でも転職を繰り返している人材は、再就職の際に不利になると言われています。しかし、転職回数が多いことをネガティブに捉えずに、上手く伝えることができれば、面接で有利になります。それでは、どのように伝えればよいのでしょうか?詳しい内容を解説していくので、参考にしてみてください。
「転職回数が多い」というのは、具体的には何回くらいのことを指すのでしょうか。
オーストラリアやシンガポールといった欧米文化では、転職回数が多いことをポジティブに捉える意見が多いのが特徴です。ポジティブな意見とは「キャリアアップを真剣に考えた証拠」・「チャレンジ精神が旺盛」といった考え方になります。そのため、転職回数が多いことは、経験が豊富という面で評価され、再就職に有利な要素となることが多いようです。
しかし、日本の場合は、20代では3回、30代では5回以上転職を行っていると、転職が多いと認識され、中には「忍耐力」がないと判断する企業もあります。職場の定着性がないことから、再就職の際に不利に働く可能性もあるので、転職回数が多い場合は面接の場では上手く立ち回ることが大切です。
考え方としては、転職回数がプラスの面で捉えられることはないので、できるだけマイナス評価とならないように意識して面接で受け答えする必要があります。面接の場でネガティブに捉えるのではなく、転職したことは積極的な判断であったということをアピールしていきましょう。
転職が多いということは、様々な職場で複数の人と接し、職場ごとに経験や知識を重ねていた証明になります。高い目標を持ち続けた結果、企業が欲しい人材に成長できたことを伝えましょう。
具体的に、転職が多いことをポジティブな言葉で言い換えると、どのような言葉になるのか、詳しく紹介していきます。
1社しか経験していない人材は、初めに入社した企業の仕事のやり方に固執してしまいがちですが、複数の企業を経験してきた人材は「職場に合わせる」という術を身につけています。適応力の高さや、順応性の高さはアピールできるポイントの一つと言えるでしょう。
複数の企業を経験した人材は、より自分の能力が発揮できる企業を求めて、自分の意思で行動を起こしています。転職した回数だけ、チャレンジしてきた証明でもあるため、そこには認めるだけの行動力があるといえるでしょう。職場を変えるというのは、精神面や体力面でも簡単なことではありません。実現できる行動力があるからこそ、転職回数が多い結果に繋がっていることがわかります。
複数の企業の仕事の進め方を経験した人材は、様々な企業のビジネスノウハウを持っていると言えます。ビジネスノウハウというと大げさに聞こえるかもしれませんが、自身が実際に手掛けたことでなくても構いません。外部の人間には分からない、内部の人間だけが知っている情報が貴重なのです。企業の多くは「他社のビジネスの成功事例を取り入れ、失敗事例から学びたい」と考えています。同業他社への転職であれば、より歓迎されることでしょう。
転職回数が多い場合は、必ず転職理由について深く質問されます。その時に大切なのは、どのような目的があって転職したのかを説明することです。そして、どのようにキャリアアップしたかを伝えることです。実際のエピソードを、以下のようなポジティブな表現を交えて話すようにしましょう。
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ただ転職したのではなく、以前の会社よりも御社の会社の方が、自分のスキル発揮に貢献できるという旨を面接の場でアピールすることが重要です。
目的意識を持って転職を続けていることを面接官に伝えることができるので、積極性が評価されるきっかけになります。
より自分の成長を促す環境に身を置きたいということが伝わるように、ハッキリと自己成長のためと回答することも重要です。
再就職することで、自分の成長を促すことができるという確信があるからこそ、言える言葉なので、面接官の心に響くように自身を持って答えていきましょう。
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なお、転職回数が多いことを必死に言い訳するような話し方や、転職理由が曖昧なまま話を誤魔化すような対応は、採用担当者の印象が悪くなりますので気をつけましょう。
通常、転職回数が多いことは不利になることが多いのですが、転職が多いことをアピールできる再就職先もあるので、ピンポイントに狙っていくのも一つの手です。
日本よりもヘッドハンティングが盛んに行われている外資系企業は、転職に対してネガティブな考えを持っていません。能力が高い人は、よりいい企業にキャリアアップするという考えが強いため、転職回数が多いことをポジティブに捉えてくれます。
ベンチャー企業の特性上、転職回数といった過去の履歴よりも、当人の能力を重視して判断することが多いため、あえて再就職先として選んでもいいかもしれません。ただ面接の際には、前職の成果など具体的な質問が行われることもあるので、質問された内容に返答し、キャリアアップのために入社したい旨を伝えることが大切です。
欧米文化と違い、日本では転職回数が多い人材ほど、再就職には不利になる可能性が高いと言われています。しかし、転職回数が多いことをポジティブに解釈して、面接の場で主張することができれば、面接で有利になります。これまでの転職経験を上手に伝えられるように、しっかりと自己分析をして、面接に臨みましょう。