「転職がうまくいかない……」「仕事が決まっても長続きしない……」。それはもしかすると、自己分析が足りていないのかもしれません。ここでは、あらためて「自己分析の目的とは?」から振り返ると共に、自己分析の方法についても、いくつかご紹介していきます。
就職をするときに自己分析を行った人も多いと思いますが、あらためて「自己分析の目的」から確認していきましょう。
自己分析には大きく二つの目的があります。一つが「自分の仕事選びの軸をはっきりとさせること」。仕事選びの軸は、大まかに言えば「選択の軸」です。過去の自分の選択(趣味や部活、サークル、アルバイト、高校・大学受験など)、そして、そこから学んだこと・感じたことなどを振り返ることで、自分の「選択の軸」を再確認することができます。
もう一つが「自分のアピールポイントや個性を見つけること」。勉強やスポーツ、特技などは分かりやすいですが、自身の性格・考え方・行動パターンなどのアピールポイントは、なかなか気づきにくいものです。また、人に良いイメージを持たれるようなアピールポイントと言えないまでも、他の人は違った個性を見つけて話すことができれば印象にも残りやすくなるでしょう。
「自分が本当にやりたいと思える仕事を選び、その実現に向けて、自分のことをしっかりとアピールできるようにする」。そのためにも、自己分析をしっかりと行う必要があるのです。
※注意※自己分析をする時の心構え
自己分析をしていると時に、主観的に見た自分と客観的に見た自分のギャップに、ショックを受けてしまう場合があります。人は理想と現実を混同させて自分を認識するため、正確な自分の姿をイメージできていません。そのため、あらためて自分を見つめ直すことで、理想と違う自分の姿に短所ばかり見えてしまう恐れがあります。ただ見方を変えれば、短所は長所に変わります。自己分析をする時には、結果を真正面から受け止めるだけではなく、発想を逆転させることも重要であることも覚えておきましょう。
それでは自己分析の方法として、ここでは「自分史」と「エニアグラム」をご紹介します。
自己分析としてポピュラーなのが、「自分史」という手法です。自分史は、自分の過去を振り返り、経験を時系列にまとめていきます。小学校・中学校・高校・大学と順番に書き出していき、どのような経験をしてきたのか、などをまとめていきます。
自己分析をするための自分史を作る上でのポイントは、趣味や部活、好きな学科・嫌いな学科といった大まかな内容だけではなく、できるだけ具体的に書き出すこと。「なぜ、はじめたのか?」「好きになった(または嫌いになった)理由は?」など、一つひとつを明確にしていくことで、自分の価値観を再認識することができます。
数ある自己分析の方法の中でも、自分史は簡単かつ正確に実践できます。自己分析をしたことがない人は、まずは自分史からはじめるとよいでしょう。
エニアグラムは、個人の特性を9つの性格タイプに分類して、自分本来の性格や思考、行動パターンを知る、自己分析の方法です。大手・有名企業などの社員教育や人事などにも利用されていることでもお馴染みです。事前に用意されている90の質問に答えることで、自分のタイプを自動的に分類してくれます。
<9つの性格タイプ>
タイプ1:改革する人
タイプ2:人を助ける人
タイプ3:達成する人
タイプ4:個性的な人
タイプ5:調べる人
タイプ6:忠実な人
タイプ7:熱中する人
タイプ8:挑戦する人
タイプ9:平和をもたらす人
過去の経験を振り返ることで自分のことを再認識する「自分史」に対して、自分では気づかない深層心理を教えてくれる「エニアグラム」。両者を併用することで、より深い自己分析ができるでしょう。
いかがでしたでしょうか?今回ご紹介した「自分史」「エニアグラム」の他にも、自己分析の方法として「ジョハリの窓」「マインドマップ」「モチベーショングラフ」などがあります。あらゆる角度から分析するためにも、複数の方法を試してみることをおすすめします。面倒に感じるかもしれませんが、自己分析を正しく行うことで、職務経歴書の書き方や、面接の対応も変わってくるはずです。転職を有利に進めるためにも、ぜひ、実践してみてください。