面接の際に質問されることが多い、長所と短所。特に短所については、どのように伝えるべきか困ってしまう人も多いのではないでしょうか。ここでは短所の回答として、どのように伝えればよいのか?その一例をご紹介します。ぜひ、参考にしてみてください。
短所の回答の一例を紹介する前に、なぜ面接官が短所を質問してくるのか、その意図を知っておきましょう。
客観的な自己分析ができる、というのは「自分の得意分野を活かして何ができるのかを判断できる」あるいは「自分の過ち・ミスに気づいて、改善に向けて行動できる」などにつながり、企業とって採用判断基準の一つになります。一般的に、人は自分の悪いところには目をつむりたくなるもので、長所よりも短所が理解できているかどうかによって、客観的な自己分析ができているかが分かります。
短所は個人だけの問題ではなく、その内容によっては周囲に影響を与えます。社風や組織と相性が悪ければチームワークが乱れますし、業務内容に向かなければ本人も仕事がつまらなくなり早期退職につながってしまいます。もちろん短所だけで判断するわけではありませんが、短所の回答を通してチェックしていることの一つといわれています。
自分にとって都合の悪いことは、できれば隠しておきたいと思う人が大半でしょう。しかし、ビジネスシーンにおいて隠したままというわけにはいかず、会社やクライアントなどに報告するという責務から逃れることはできません。面接で短所を伝えるというのは、これに似ています。伝えたくないこと・伝えにくいことをどのように話すのか、そのビジネスコミュニケーション力を試しているのです。
「短所を教えてください」この質問に、面接官は率直な回答を期待しているわけではありません。前述したような点をチェックしているのです。だからといって嘘を言ってよいか、それも違います。それでは、どのように回答すればよいか?
短所を伝えるときは長所として言いかえて説明するのがポイントです。
例えば「流されやすい」という人は、人の意見を聞き入れる「協調性がある」という解釈として捉えることができ、協力して業務が遂行できるということをアピールすることができます。
「優柔不断」という人であれば、「柔軟性」があると長所に変換することが可能です。業務は日々変化する性質を持っているので、柔軟性が備わっていれば、臨機応変に対応を変えることができます。
他にも「自己主張が強い」という人は、「積極性がある」という長所に変換することができます。業務において積極性があることは、物事を突き動かす原動力となるので、仕事に対して真摯な姿勢を見せることができます。
このように短所と長所は表裏一体で、言いかえることができるものがほとんどです。面接官に短所を聞かれた時は長所を交えながら、ポジティブな面を強調して伝えるようにしましょう。
短所の回答として避けるべきものがあります。以下のような回答にならないように注意しましょう。
短所と長所は表裏一体と前述しましたが、“すべて”ではありません。「不愛想」「言葉が足りない」「落ち込みやすい」などは長所に言いかえづらいので回答としては避けるべきです。また「気が短い」「感情的になりやすい」などのトラブルを想起させるような内容も避けたほうがよいでしょう。
長所と短所はセットで質問されることが多いので、回答に矛盾しないように注意しましょう。矛盾があれば、自己分析ができていない・嘘をついていると判断されてしまいます。
「短所はない」と回答するのは、面接の場としてはふさわしくありません。どれだけ仕事ができる人でも、短所がない人はいません。長所があれば短所もどこかで生まれているはずです。もう一度、自己分析を行ってみましょう。
短所についての質問は、率直に短所のみを確認したいわけではなく、「客観的な自己分析」「社風や組織、業務内容との相性」「ビジネスコミュニケーション能力」をはかる意図があります。質問意図をしっかりと理解した上で、“短所を長所に言いかえた”回答を用意しておきましょう。