今回は、未経験・初心者から企業のWebライターになる方法をまとめました。企業のWebライターは安定して働けることに加え、同僚や先輩の存在があるためスキル・キャリアアップが望みやすい魅力があります。給与水準やキャリアパス、年収アップのコツまで紹介するので、これからWebライターを目指す方はぜひ参考にしてみてください。
Webライターの仕事内容は、大きく分けると「記事テーマの案出し」「取材・執筆」「校正・校閲」の3つに分類されます。以下、それぞれの業務内容を詳しく解説していきます。
・記事テーマの案出し
・取材・執筆
・校正・校閲
Webライターの仕事内容をイメージできるよう、それぞれ簡単にご説明します。
まず、「どのようなテーマで記事を書くか」を考えます。企業に所属するライターであれば、記事を執筆するだけでなく企画段階から関わることも多く、編集者やクライアントからテーマだけを与えられ、取材先や構成までライターが考えるケースもあります。制作の上流工程から記事に携わり、裁量をもって活躍できるのも企業で働くWebライターのメリットといえます。
記事のテーマが決まったら、実際のコンテンツ作りを行います。Webライターは指定されたテーマやキーワードをもとに文章を考え、作成します。また、取材が伴う場合は取材先に足を運び、インタビューや撮影を行うこともあります。執筆する内容はWeb記事に限らず、SNSの原稿や企業のランディングページの作成まで行うこともあります。
書き上げた文章について、媒体ごとのフォーマットに沿って「誤字はないか」「言いまわしは正しいか」「内容に不備はないか」などを細かくチェックします。出版業界であれば校正・校閲の専門スタッフが行う業務ですが、Webメディアの場合はライター自身が行うことも多いです。
実際の求人をもとに、未経験・初心者から企業のWebライターになった際の年収とキャリアパスについてご紹介します。「未経験者歓迎」と「経験者優遇」の2パターンを紹介するので、キャリアパスを考える参考にしてみてください。
未経験者や初心者のWebライターを歓迎している求人例は以下の通りです。あらかじめテーマと記事の構成は決められていて、指示どおりにライティングを行う仕事が一般的です。
雇用形態 | 契約社員 |
---|---|
収入 | 月収21万円~23万円 |
業務内容 | クライアントの業界・取扱商品に関する記事コンテンツ執筆をお任せします。テーマと構成は予め決まっているので、未経験の方も安心です。ガイドラインに沿い、SEOを重視したコンテンツ執筆をお願いします。 |
募集要件 | 【必須の経験・スキル】 ・基本的なWord、Excel入力スキルは必須 ・ライティングに対する強い意欲 ・柔軟性とコミュニケーション力 ・インターネットで、調べたい情報を的確に探す技能 【歓迎する経験・スキル】 ・何かしらのライティング実務経験 ・SEOやWebマーケティングに関する知識・経験 ・制作ディレクション/進行管理の実務経験 |
「経験者優遇」のWebライター求人は、コンテンツの企画を求められるようになります。執筆内容もより専門的になり、未経験者では書くのが難しいテーマも少なくありません。また、ライター育成やマネジメントといった業務も増えてきます。
雇用形態 | 正社員 |
---|---|
収入 | 年収450万円以上 |
業務内容 | コンテンツの企画立案からデジタルマーケティング用コンテンツの執筆業務を担当いただきます。ディレクションやライターの育成もお任せします。 |
募集要件 | 【必須の経験・スキル】 ・コンテンツの制作経験3年以上 ・紙媒体とWeb、両方での執筆経験 【歓迎する経験・スキル】 ・マーケティングコンテンツの企画制作経験 ・記者、編集者など、編集・校正・校閲業務の経験 ・Webマーケティングや営業企画などに関する経験・知識 |
Webライターは未経験者向けから経験者向けまで、さまざまな求人があります。では実際のところ、Webライターの平均年収はいくらなのでしょうか?
転職サービスdodaの調査によると、Webライターの年収データは以下の通りです。
平均年収 | 341万円 |
---|---|
20代 | 309万円 |
30代 | 365万円 |
40代 | 381万円 |
50代 | -(データなし) |
※出典:転職サービスdoda 平均年収(2017年9月~2018年8月)
https://doda.jp/guide/heikin/syokusyu/#anc_job_01
クリエイティブ系全体の平均年収は379万円なので、Webライターの年収は水準より低いのが現状です。要因としては2つ考えられます。
1つ目は「専門技能が評価されにくいため」です。Webライターは日本語を扱う仕事であり、能力の優劣を度外視すれば、日本人にとっては当たり前に備わっているスキルと言えます。そのためエンジニアやデザイナーのスキルと比べて専門性が高くないと思われがちで、技術が給与水準に反映されにくくなります。2つ目は「記事を安価に量産する仕事が多いため」です。昨今、多くの企業がWebサイトやWebメディアを運営しています。企業はSEOなどを狙って記事本数を1本でも多く増やそうと考えていますが、割ける予算には限りがあります。結果的に低コストで大量の記事を量産する仕事が増え、給与水準も低くなりやすいのです。
しかし、方法によってはWebライターとして年収アップを望めます。年収アップのコツは次の3つです。
・上流工程の仕事をする
・Webマーケティングの知識を深める
・得意な領域やスタイルを持つ
企画を考案したり、他のライターに仕事を発注することです。編集者やディレクター的な役回りといえます。
サイトのPVアップにつながる技能として、Webマーケティングの知識を得ることで、執筆単価を高めることができます。特にSEOの知識は、執筆者の腕次第でダイレクトにPVにつながるため、学んで損はないでしょう。
執筆単価を高める近道は、「この人に頼みたい」と指名されることです。Webマーケティングの知識のほか、自分の得意な領域やスタイルを持つのもおすすめです。例えばSNSのフォロワーを増やしてインフルエンサーになる、ITや医療などの特定の分野に専門知識がある、翻訳の仕事ができるライターは、評価されやすく年収が上がる可能性があります。
未経験・初心者からWebライターを始めたら、今後どのようなキャリアパスが見込めるのでしょうか。具体的には期待できる職種は以下の3つです。
・Web編集職
・Webディレクター、Webマーケター
・フリーランスのWebライターとして独立
以下、具体的な役割を説明していきます。
・キーワードを選定し記事を企画する
・企画をもとにライターに依頼をなげる
・複数名のライターを管理する
・校正や校閲を行う
・メディア全体の管理をする
・マーケティングの視点をもち必要なコンテンツを考える
・SEOや進行管理の知見を活かす
・メディアから依頼を受け、記事を執筆する
・業務委託などで記事のディレクションを行う
ここまで、求人例をもとにWebライターの年収とキャリアパスについてご紹介しました。では、実際に求人に応募するためには何が必要でしょうか。続いては、「未経験・初心者からWebライターの求人に応募する方法」をまとめました。
求人応募に必要なものは「履歴書」「職務経歴書」「執筆実績」の3点です。
履歴書と職務経歴遺書は、実務能力や経歴を知るために必要です。加えて、Webライターの求人に応募するためには「執筆実績」も用意するといいでしょう。執筆スキルを確認するための重要な判断材料になります。もし執筆実績がない場合は、クラウドソーシングなどを活用して仕事を引き受けるのも1つの手です。
執筆実績を用意するときの注意点は2つです。
・記事のURLとWebページをPDF化したものを持っておく
・ライター実績として公開可能か確認する
執筆実績は、記事のURLとWebページをPDF化したものを用意しましょう。URLだけを提出すると、メディア側の事情で記事が掲載されなくなってしまうケースがあるためです。また、書いた記事を実績として使いたいときは、念のため媒体側に確認するようにしてください。新しい媒体に応募する際も、事前に執筆者の名義(クレジット)が載せられるか確認すると安心です。
Webライターは未経験でもチャレンジしやすい職業です。ですが、具体的にどうすればなれるか分からないという声も少なくありません。未経験・初心者がWebライターになる方法は以下の4つです。
・専門学校やライティングスクールに通う
・ハローワークの「職業訓練」を活用する(Webライター科)
・求人媒体社のスキルアップ講座を利用する
・クラウドソーシングなどで仕事を受ける
それぞれの詳しい内容と、メリット・デメリットを以下に解説します。
専門学校やライティングスクールでは、プロの講師から体系的なスキルを教わることができます。「初心者で何からはじめればいいか分からない」という人にはぴったりです。ただし、受講料は決して安くありません。学校やコースによっては十数万円程度かかることもあります。修了までに半年ほどかかる場合もあるので、腰を据えて技術を身に着けることができます。
料金 | 数万円~十数万円 |
---|---|
期間 | 5ヵ月以上 |
メリット | 体系的に学べる、正しいスキルが身に着く |
デメリット | 値段が高い、修了まで時間がかかる |
職業訓練を受けて、Webライティングについて学ぶこともできます。職業訓練とはハローワークが主催する講座です。これから仕事をみつけたいという人に向けて、必要な知識やスキルを体系的に教えます。Webライターになりたい場合は「Webライター科」に申し込みましょう。ただし求職中でなければ受講できないなど、応募要件がきめられているケースがあります。
料金 | 無料~数千円(補助金が支給される場合もあり) |
---|---|
期間 | 3ヵ月~半年程度 |
メリット | 格安で受けられる、転職に繋がる、基礎的な知識が身につく、求人を紹介してもらえることがある |
デメリット | 受講要件を満たす必要がある、選考がある可能性がある |
職業訓練校について詳しく知りたい方は、以下の記事もご覧ください。
実績とスキルを身につけたい人は、クラウドソーシングで仕事を受けるのが早いでしょう。副業でもはじめられるため、スキマ時間をつかって挑戦したい人にもおすすめです。ただし、単価が低く、1文字0.5円程度の案件も少なくありません。また、テンプレートに従う単純作業の業務ばかりを引き受けても、スキルや専門知識は身につかないので注意しましょう。
料金 | 無料 |
---|---|
期間 | 特になし |
メリット | 副業で始められる、実践的な経験が積める |
デメリット | 単価が安い、スキルや専門知識が身につきづらい |
初心者歓迎の求人に応募し就職するのも1つの手です。給料をもらいながら実践的なスキルが身につけることができます。経験を積めば編集など上流工程の仕事も任される可能性も少なくありません。ただし、求人数が少ないのがデメリットです。狭き門を勝ち抜くには、面接の対策が必要です。応募する際は、転職支援サービスを利用するのがオススメです。
料金 | -(有給) |
---|---|
期間 | 半年~ |
メリット | 収入を得ながら学べる、実務経験が積める、上流の仕事が経験できる可能性がある |
デメリット | 求人数が少ない、選考倍率が高い、体系的な知識が身につかない可能性がある |
未経験からWebライターを目指す方法はたくさんあります。なかでもWebist編集部のおすすめは「求人媒体に登録して転職支援を受けてみること」。自分ひとりでは見つけることのできない魅力的な求人を紹介してもらえる可能性があるからです。プロが一人ひとりに合った求人選びのコツを教えてくれます。Webライターになるための具体的なアドバイスを無料でしてくれるケースも少なくありません。転職を成功させたい人は、まず転職支援サービスを活用してみるのも1つの手ですよ。
未経験・初心者が企業のWebライターになるための方法をご紹介してきました。初心者でも始められる職業の1つですので、少しでも興味があるなら目指してみる価値はあります。現在ではクラウドソーシングも普及し、ハードルは決して高くありません。ぜひ今回ご紹介した内容を参考に、Webライターへの一歩を踏み出してみてください。