未経験からイラストレーターになるには?実際の求人をもとに年収やキャリアパスまで解説

未経験からイラストレーターになるには?
イラストレーターは活躍する業界によって働き方が異なるため、本記事では、広告・出版/Web業界にスポットを当てて解説していきます。

 

■目次■

1.イラストレーターの仕事内容

イラストレーターは、イラスト素材を制作する仕事です。担当するイラストは多岐にわたり、雑誌の挿絵や広告のパッケージといった紙媒体だけでなく、Webサイトのデザインパーツのグラフィックなども手がけます。

工業製品のマニュアルのイラストを担当するテクニカルイラストレーターや、医療関連を専門にしたメディカルイラストレーターなど、特定の専門分野で活動する場合もあります。

基本的な仕事の流れ

仕事の流れとしては、アートディレクターがコンセプトの設計やラフを作成し、イラストレーターはアートディレクターの指示を仰ぎながら、様々な商品・サービス・テーマに合わせたタッチのイラストを制作します。

完成したイラストはグラフィックデザイナー/Webデザイナーの手に渡り、紙面やWebに配置されます。イラストレーターの仕事はイラストを描くことですが、アートディレクターの意向を汲むことや、グラフィックデザイナー/Webデザイナーとの連携も求められます。

イラストレーターとグラフィックデザイナー/Webデザイナーの違いとは?

イラストレーターとグラフィックデザイナー/Webデザイナーの違いとは? イラストレーター イラスト制作を担当 グラフィックデザイナー/Webデザイナー クリエイティブ制作の全般を担当

イラストレーターとグラフィックデザイナー/Webデザイナーは混同されがちな職種ですが、異なる役割を担っています。

イラストレーターは、クリエイティブを構成する一部分としてイラストを描きます。

一方のグラフィックデザイナー/Webデザイナーは、イラストレーターから納品されたイラストのほか、コピーやテキスト、ロゴ、フォトグラファーが撮影した写真といった複数の要素を組み合わせ、一つのクリエイエティブ全体を構成していきます。

つまり、イラストレーターは主にイラスト制作に携わり、グラフィックデザイナー/Webデザイナーはクリエイティブ制作の全体に携わる点に違いがあります。

2.実際の求人で丸わかり!
イラストレーターの年収&キャリアパス

続いては実際の求人を見ながら、イラストレーターの仕事内容と年収、キャリアパスについて説明していきます。

1. イラストレーターの求人例

【未経験者向け】

絵を仕事に!イラストレーターのお仕事

雇用形態 契約社員
収入 月給25万円以上
業務内容 アートディレクターの作業指示に従い、クライアントから受託したイラストの制作を行います。小さなイラストカットやWebサイトのデザイン素材パーツなどから、実力に応じて少しずつお任せしていきます。
募集要件 【必須の経験・スキル】
・Illustrator、Photoshop、SAI、CLIP STUDIOなどデジタル作画の経験
・基礎的なデッサンスキル/知識
【歓迎する経験・スキル】
・作風にあわせてタッチを変えられる方

未経験者歓迎のイラストレーターの求人例は、以上の通りです。小さなイラストカットやパーツを制作するところからスタートし、実力に応じて仕事の幅を広げていきます。

ただし、注意が必要なポイントがあることも忘れてはいけません。

「未経験者歓迎」の求人に応募するときの注意点 そもそも広告・出版/Web業界いおける未経験者歓迎のイラストレーターの求人が少ないこと 未経験者であってもillustratorやPhotoshopなどのソフトを使った作画経験やデッサン力は前提条件として求められること

 

【経験者向け】

グラフィックデザイナー/イラストレーター

雇用形態 正社員
収入 年収350万円〜500万円
業務内容 グラフィックデザイナー兼イラストレーターとして、クライアント企業のクリエイティブ制作に携わっていただきます。アートディレクターと連携しながら「デザインコンセプトの設計」「デザインラフ作成」「イラスト制作」「カンプデータのチェック、納品」までを一貫して担当いただきます。
募集要件 【必須の経験・スキル】
・イラストレーターとして実務経験2年以上の方
・デッサン力、色彩感覚
・デザインの基礎的な知識
【歓迎する経験・スキル】
・グラフィックデザインの経験
・Webデザインの経験

経験者優遇のイラストレーター求人例は以上の通りです。あらゆるタッチのイラスト制作に対応できるスペシャリストとして活躍する求人もありますが、イラストレーター兼グラフィックデザイナーとして、クリエイティブに一貫して携わる求人も多いようです。

その場合、作画能力だけでなく、デザインスキルクライアントの要望を汲む姿勢も求められます。

2.イラストレーターの年収は?

イラストレーターの平均的年収はどれくらいなのでしょうか。求人情報の検索サービスである「求人ボックス」の調査によると、正社員雇用のイラストレーターの平均年収は359万円です。

 

◇雇用形態別の平均年収◇

雇用形態 平均年収・時給
正社員 年収359万円
アルバイト・パート 時給995円
派遣社員 時給1500円

※出典:求人ボックス 給料ナビ「イラストレーターの仕事の年収・時給・給料(求人統計データ)」2022.7.29

 

クリエイティブ職全体の平均年収が349万円*なので、イラストレーターの平均年収はそれよりもやや高い水準にあります。

しかし、年代別に見ると、20代前半と30代後半の平均年収はおよそ100万円以上の差があると言われているため、経験値や能力の高さによって年収は大きく変わってくると言えるでしょう。

*:マイナビエージェント「クリエイターの平均年収はどれくらい?給与アップのポイントは?」より

3.イラストレーターのキャリアパスは?

未経験から企業のイラストレーターになった後、考えられるキャリアパスは以下の通りです。

未経験からイラストレーターになった後のキャリアパスのイメージ フリーのイラストレーターとして独立する グラフィックデザイナー/Webデザイナーになる

では、それぞれの特徴やリスクについても見ていきます。

フリーのイラストレーターとして独立する

企業のイラストレーターとして顧客を獲得した後、フリーランスとして独立する方法です。自ら価格交渉仕事選びができるので、収入を高めやすくなるメリットがあります。

しかし、仕事を安定的に受注できる状況を確保できずに独立してしまうと、生活が不安定になるリスクがあります。独立に関しては慎重に考えるようにしましょう。

グラフィックデザイナー/Webデザイナーになる

イラストレーターとグラフィックデザイナー/Webデザイナーを兼任するか、完全にグラフィックデザイナー/Webデザイナーとして転身する方法があります。

イラストレーターがデザインを学ぶと、クリエイティブの構成からイラストパーツの制作まで一貫して任せてもらえるようになります。受注単価が上がるので、イラスト専業で地道に単価を上げていくよりも効率よく収入アップが叶うでしょう。

3.未経験からイラストレーターの求人に応募する方法

ここからは、実際に未経験からイラストレーターになるための方法を紹介します。

そもそも求人に応募するためには、履歴書と職務経歴書が必要です。また、ポートフォリオも作成する必要があります。クリエイティブ業界では、自身の実績を「ポートフォリオ」と呼ばれる作品集にまとめて提出することが一般的です。

「自分がどんなイラストを描くことができるのか」が一目でわかるよう、人物だけでなく動物、静物、デザインパーツなど、幅広い作品をポートフォリオに載せておくとよいでしょう。

また、イラストは流行の遷移が早いので、ポートフォリオはこまめに更新することが大切です。未経験者は業務での制作実績がないので、個人の作品をまとめてポートフォリオを仕上げてみましょう。

以下のコラムも参考にしてみてください。
▶そもそも、ポートフォリオとは?
https://webist-cri.com/article/detail/763
▶ポートフォリオを簡単に作成できるサイト
https://webist-cri.com/article/detail/2272

4. 未経験からイラストレーターになる方法!
メリット・デメリットも解説

未経験からイラストレーターになるためにはどんな方法があるのでしょうか。未経験からイラストレーターを目指す方法は主に以下の5つです。

未経験からイラストレーターを目指す方法 1.専門学校に行く 2.Webデザイナーコースの職業訓練校に通う 3.個人のクリエイターとして活動しながらコンペなどに応募する 4.クラウドソーシングで仕事を請ける 5.未経験可の求人に応募してみる

中には、無料でスタートできる方法もあるので、興味のある方はぜひチェックしてみてください。では、それぞれのメリット・デメリットを以下で詳しく解説していきます。

1.専門学校に通う

イラストレーターとしての基礎をしっかりと身に付けたいなら、まず選択肢に挙がるのが専門学校です。デッサンの基礎から作画ソフトの使い方まで、体系的に学ぶことができます。

しかし、卒業までに時間がかかることや、受講費用が高額になりがちという側面もあるため、時間とお金に余裕があることは必須条件になるでしょう。

料金 数十万円~
期間 数ヶ月~数年
メリット 体系的に知識や技術を学べる、働きながら通えるスクールもある、求人やコンペなどを紹介してもらえることがある
デメリット 受講期間が長い、受講料が高い

2.ハローワークでWebデザイナーコースの職業訓練校に通う

前述のように、イラストレーターはデザイナーを兼ねる人も多くいます。そのため、イラストレーターになる前に、職業訓練校でWebデザイナーコースを受講するのも選択肢の1つです。

職業訓練校では、ソフトの使い方やデザインの知識を身につけることができるため、将来的にデザインもできるイラストレーターを目指せるでしょう。

しかし、授業ではイラストレーターのための専門知識を学ぶわけではないので、その他の時間でイラストを独学する必要があります。また、受講のためには一定の条件を満たさなければならないため、事前に条件をクリアしているか確認しておくことが大切です。

料金 無料~数千円(補助金が支給される場合もあり)
期間 数ヶ月
メリット 無料・格安で受講できる、将来デザイナーへの転身やキャリアアップが可能になる、求人を紹介してもらえることがある
デメリット 受講条件を満たす必要がある、定員がある、受講中は就職活動を行う必要がある、イラストレーターの求人を紹介してもらえるわけではない

3.個人のクリエイターとして活動しながらコンペなどに応募する

個人のクリエイターとして活動し、イラストコンペなどに応募しながら実績を積んでいく方法です。

自分のイラストをSNSや即売会で発信したり、コンペで作品が受賞したりすれば、イラストレーターを探している企業から声がかかる可能性があります。個人の活動なので成果は全て自分のものになり、実績を積むほど単価を上げていくことが可能です。

しかし、独学なので思うように実力を伸ばすことができず、行き詰まってしまうことも考えられます。

料金 無料
期間 無期限
メリット 自分の都合にあわせて活動できる、自分の名前で仕事ができる、実践的な実力がつく
デメリット すぐに仕事につながるわけではない、体系的な知識が身につかない可能性がある

4.クラウドソーシングサイトで仕事を請ける

クラウドソーシングサイトではイラスト制作の募集が多数あります。スキルや経験がなくても応募できる場合もあり、コンペ方式での募集案件も存在します。

しかし、仕事を受注できる確率が高いので手軽に実務経験を積むことができますが、不当に単価が安い案件も存在するので注意が必要です。

料金 無料
期間 数日~
メリット 副業で始められる、実務経験が積める
デメリット 必ず受注できるとは限らない、案件の良し悪しの見極めが難しい

5.未経験歓迎の求人に応募して実務経験を積む

未経験歓迎の求人に応募し、実践で経験を積んでいくこともできます。プロとして活躍しているイラストレーターから技術や仕事の進め方を学べるので、キャリアを積む近道とも言えるでしょう。

しかし、イラストレーターは他のクリエイティブ職種と違い、未経験者向けの求人は多くありません。

また、前述の通り未経験とはいえ求められる要件が高いので、クリアしていない場合は転職支援を受けながら内定獲得を目指すことをおすすめします。

料金 無料
期間 企業によって異なる
メリット 収入を得ながら学べる、実務経験が積める
デメリット 求人数が少ない、求められる要件が高い

6.プロの転職支援を受ける

イラストレーターに憧れているけれど、本当に未経験から目指せるかどうか自信が持てない方もいるかもしれません。その場合は、プロの転職支援を受けてみましょう。

相談に乗ってくれるキャリアアドバイザーは、転職のプロの視点で自分に合ったキャリアの積み方や求人をアドバイスしてくれます。

悩んでいるならとにかく行動!その一歩が、あなたがイラストレーターとして活躍できる道筋に必ず近づけてくれるはずです。

5.まとめ

今回は、未経験からイラストレーターになる方法について紹介しました。未経験者歓迎の求人でもスキルや経験が求められるので、少しハードルが高く感じたかもしれません。

もし、次の行動に悩んでいたらプロの転職支援サービスを活用し、まずは自分に合った最適な求人を探しましょう。

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