未経験からDTPオペレーターになるには?実際の求人をもとに年収やキャリアパスまで解説

今回は、未経験や初心者でもDTPオペレーターになる方法をまとめました。詳細な仕事内容をはじめ、給与水準やキャリアパスなど、就職・転職に役立つ様々な情報を紹介しています。ぜひ参考にしてみてください。

■目次
1. DTPオペレーターの仕事内容は? グラフィックデザイナーとの違いは?
 1-1.フォーマットの作成
 1-2.画像の修正
 1-3.調整、修正、印刷
2. 実際の求人で丸わかり! DTPオペレーターの年収&キャリアパス
 2-1.「未経験者歓迎」のDTPオペレーター求人例
 2-2.「経験者優遇」のDTPオペレーター求人例
 2-3.DTPオペレーターの年収は? 年収アップのコツはデザインスキル
 2-4.DTPオペレーターのキャリアパスは?
3. 未経験からDTPオペレーター求人に応募するには? 資格は必要?
 3-1.DTP検定
 3-2.DTPエキスパート
4. 無料でスタート! 未経験からDTPオペレーターになるための方法、メリットとデメリット
 4-1.専門学校・スクールに通う
 4-2.ハローワークで申し込める職業訓練校を活用する
 4-3.求人媒体社のスキルアップ講座を利用する
 4-4.未経験歓迎の求人に応募して実務経験を積む
 4-5.悩むより行動! プロの転職支援を受けてみよう

DTPオペレーターの仕事内容は? グラフィックデザイナーとの違いは?

そもそもDTPオペレーターの‟DTP“とは何かご存知でしょうか? ‟DTP“とはDesktop publishingの略称で、印刷物のデザイン・レイアウトを指します。DTPオペレーターは、そのDTPに携わる仕事になるわけですが、DTPのすべてを担うわけではありません。

DTPの作業工程は主には大きく2つに分けられます。まずは、グラフィックデザイナーがクライアントの希望に沿って画像や文字のデザインやレイアウトを行い、その後、DTPオペレーターがデザイナーのデザインを元に実際に印刷できるレイアウトに整える、という流れになります。
注)グラフィックデザイナーとDTPオペレーターの違いは「デザインをする人」と「デザインをしない人」と言えますが、勤務先によってはグラフィックデザイナーとDTPオペレーターの境界線が曖昧になっている会社もあり、DTPオペレーターでもデザインにも携わることもあります。

DTPオペレーターの仕事を簡単に言うと上記のようになりますが、以下よりDTPオペレーターの仕事の詳細について説明していきます。

フォーマットの作成

まず、デザイナーが表紙や記事のレイアウトを作ります。そのデザインを元にDTPオペレーターがフォーマット(ひな形)を作ります。

この場合のフォーマットとは、紙のサイズやフォント、フォントのサイズや字間、行間、ノンブルなどのページの基礎となる設定です。場合によりますが、ページもののフォーマットは、専用ソフトであるInDesignなどで作り直しをすることが多いです。

画像の修正

次は、Photoshopを使って画像の修正を行います。解像度やサイズの修正が主な仕事ですが、場合によっては色相や彩度、画像自体の修正や切り抜きなども行います。

また画像ではなく図・表が必要だった場合、Illustratorなどを使って作成することもあります。

調整、修正、納品

まずはフォーマットにテキストを流し込みます。記事のレイアウトが崩れていないか、誤字・脱字がないか、行間や字間がおかしくはないかなどを調整・修正して、場合によっては“ルビをふる”などの作業を行うこともあります。そしてテキストの流し込み・調整・修正が完了したら、画像を挿入していきます。

最後に、校正・校閲担当者がいれば最終確認をしてもらい、問題がなければ納品となります。

実際の求人で丸わかり! DTPオペレーターの年収&キャリアパス

次からは実際の求人を参考に、DTPオペレーターの年収やキャリアパスについて確認していきます。今回は、DTPオペレーターによくある「未経験者歓迎」の求人と、「経験者優遇」の求人の一例をご紹介します。実務内容の違いや年収なども解説しますので、ぜひ参考にしてください。

「未経験者歓迎」のDTPオペレーター求人例

DTPオペレーターの求人で「未経験者歓迎」と記載があるものは、「ページのフォーマットに合わせた図(グラフや表組、地図など)の配置やテキストの流し込み」、「ルールに合わせた文字サイズや文字間、行間などの調整」といったことから任せられ、慣れてきたらデザイン要素の少ないグラフや表組、地図なども作成する、といった仕事が多い傾向にあります。

また未経験であっても、IllustratorやPhotoshopの使用スキルを必須条件にしている求人が多いため、独学やスクールでの習得が必要です。

求人例

1カ月の研修あり!未経験からスタートできるDTPオペレーター

雇用形態 派遣社員
給与 想定時給1400円以上
業務内容 カタログやチラシなどの印刷物の入稿データチェック業務からお願いします。【具体的には】
・差し戻しが必要な箇所の有無をチェック
・印刷データへ流し込み
・完成したデータを印刷会社へ送信 など

※入社後1ヶ月程度の研修がありますので未経験の方もご安心ください。
仕事に慣れてきたらグラフや表組などの作成もお任せします。

募集要件 未経験歓迎! Illustrator・Photoshopの操作スキルおよび、印刷データ制作の知識(専門用語がわかればOKです)があればご応募いただけます。

「経験者優遇」のDTPオペレーター求人例

DTPオペレーターの求人で「経験者優遇」と記載があるものは、即戦力として活躍してもらうために、その会社で制作している印刷媒体に携わったことがあるか、現場で利用しているソフトが使えるか(色々なソフトが使えるか)、対応できる業務領域の広さ、仕事のスピードなどが求められる傾向にあります。

また、社内にグラフィックデザイナーが「いる・いない」によって異なりますが、「ページのフォーマット決定」「文字サイズや文字間、行間などのルール決め」「制作物に使用する紙の選定」「紙の特徴や印刷方法に合わせた色選定」など、グラフィックデザイナーに近い立ち位置で仕事を任せられる場合もあります。

求人例

官公庁案件や大手企業案件など幅広いツール制作に携わるDTPオペレーター兼デザイナー

雇用形態 正社員
給与 月給26万円~28万円
業務内容 官公庁や大手企業などから依頼される様々な制作物のDTP業務(簡単なデザイン含む)をお任せします。【具体的には】
ポスターやチラシ、冊子・プログラム、学校案内、官公庁関連文書、雑誌など、幅広いツールを手がけていただきます。
時には、お客様と直接やりとりからお任せします。
募集要件 【必須の経験・スキル】
・グラフィックデザイナー経験1年以上またはDTPオペレーター実務経験3年以上をお持ちの方
└Photoshop、Illustlator、InDesignの実務使用経験は必須です(Mac)【歓迎する経験・スキル】
・学校案内や官公庁関連文書のDTP経験がある方

DTPオペレーターの年収は? 年収アップのコツはデザインスキル

ここまで求人例をもとに、DTPオペレーターの仕事や求められるスキルについて紹介しました。実際のところ、DTPオペレーターの平均年収はいくらなのでしょうか?

転職サービスdodaの調査によると、DTPオペレーターの年収データは以下の通りです。

平均年収 318万円
20代 271万円
30代 323万円
40代 373万円
50代 -(データなし)

※出典:転職サービスdoda 平均年収(2017年9月~2018年8月)
https://doda.jp/guide/heikin/syokusyu/#anc_job_01

DTPオペレーターの平均年収は318万円です。クリエイティブ系全体の平均年収は379万円なので、水準より低いといえます。また、年齢別の年収の推移を見てみても、20代で271万円、30代で323万円、40代で373万円と、高年収とは言えません。年収アップを望むのであれば、グラフィックデザイナーに近い立ち位置で仕事ができるように、デザインスキルを身につけることが近道です。
dodaの調査では50代のデータがありませんが、これはDTPオペレーターの多くがグラフィックデザイナーにキャリアアップしているケースが多いためと推測されます。

DTPオペレーターのキャリアパスは?

DTPオペレーターとして働くことになった場合、どのようなキャリアパスが見込めるのか考えてみましょう。以下にキャリアアップのための道筋を紹介します。

印刷媒体のデザインスキルを身につけて【グラフィックデザイナー】になる

もっとも実現しやすいキャリアパスと言えます。前述したように勤務先によってはDTPオペレーターとグラフィックデザイナーの境界線が曖昧な会社も多く、あえてそういった会社を狙って転職をすることでDTPオペレーターとして働きながらデザインスキルを磨くことができます。

Web媒体のデザインスキルを身につけて【Webデザイナー】になる

Webデザイナーはグラフィックデザイナーがキャリアチェンジする職種の一つでもあります。同じデザイナーと名の付く職業でも、両者はデザインを制作する上での考え方が異なり、またHTML/CSSといったコーディングスキルも求められます。グラフィックデザイナーになるよりも遠いキャリアパスと言えますが、Webビジネスが当たり前となっている昨今、Webデザイナーはニーズが高い職業ですので、グラフィックデザイナーを目指しつつ、Webデザイナーも視野に入れてみるとよいでしょう。

未経験からDTPオペレーター求人に応募するには? 資格は必要?

今まで、実際の求人をもとにDTPオペレーターの年収やキャリアパスについてお伝えしました。ここからは、実際に未経験からDTPオペレーターになるための方法についてまとめてみます。
まず、未経験からDTPオペレーターの求人に応募するために必要な準備を紹介します。

そもそも求人に応募するためには、履歴書と職務経歴書が必要です。加えて、DTPオペレーターの求人に応募するためには、ポートフォリオも作成する必要があります。クリエイティブ業界では、自身の実績を「ポートフォリオ」と呼ばれる作品集にまとめて提出することが一般的です。DTPオペレーターを目指す以上はポートフォリオ作りを避けて通ることはできません。未経験者は業務での制作実績がないので、個人の作品をまとめてポートフォリオを仕上げてみましょう。以下のコラムを参考にしてみてください。

▶そもそも、ポートフォリオとは?
https://webist-cri.com/article/detail/763

また、必ずしも必要というわけではありませんが、未経験・初心者の場合、自身のスキルを客観的に証明するのが難しいため、資格を取得するのもおすすめです。自身の熱意をアピールできる武器にもなるでしょう。以下、DTPオペレーター向けの資格をいくつかご紹介します。

1.DTP検定

参考:https://dtpkentei.jp/

DTP検定は、DTPディレクションとDTPビジネスに現在は別れています。DTPディレクションは、DTPオペレーターなどの印刷物を作成する側向けの資格で、印刷知識、デザインやレイアウト、フォント、組版などのルールや知識がメインとなります。DTPビジネスは、ビジネス文書などの作成知識に特化しており、全ての業種向けの資格、もしくは印刷会社に依頼する時に円滑に進めやすくなる資格となります。DTPオペレーターを目指す場合は、DTPディレクションを取得しましょう。

2.DTPエキスパート

参考:https://www.jagat.or.jp/cat5/dtp

DTPエキスパートは、「印刷、デザインに関する知識」をメインとした資格になります。印刷の基礎知識から、造本などの設計、組版の詳細、デザインやレイアウトのルールに関する知識、フォントや色の知識などDTPに関する知識から、コンピュータやソフト、デジタルコンテンツに関する知識、コミュニケーションの知識など、ありとあらゆるもの知識を必要とする資格です。DTPオペレーター向けとしては難易度の高い資格と言えます。

無料でスタート! 未経験からDTPオペレーターになるための方法、メリットとデメリット

未経験からDTPオペレーターを目指したくても、何からすればよいのか分からない人も多いでしょう。未経験からDTPオペレーターになる方法は大きく4つあります。

・専門学校・スクールに通う
・ハローワークで申し込める職業訓練校を活用する
・求人媒体社のスキルアップ講座を利用する
・初心者歓迎の求人に応募して実務経験を積む

以下、メリット・デメリットと一緒にそれぞれの方法を解説します。

専門学校・スクールに通う

デザインを学び、ゆくゆくはグラフィックデザイナーやWebデザイナーを目指したい、という人は、専門学校に通うのもよいでしょう。とはいえ、専門学校に通うのは、時間もお金もかなり掛かります。

仕事をしながら勉強したい人や、お金をあまりかけずに勉強したい人は、デザインスクールなどに通うのもよいと思います。こちらは1ヶ月5万円程度から、2ヶ月10万円、6ヶ月20万円など、自分の予算に合わせて選ぶことができます。

料金 数万円~
期間 数ヶ月~数年
メリット 幅広い知識が身につく、働きながら通える専門学校もある、求人を紹介してもらえることがある
デメリット 受講期間が長い、受講料が高額

ハローワークで申し込める職業訓練校を活用する

職業訓練校とは、国や自治体が運営している、就職や転職に必要な知識やスキルを勉強するための施設です。大きくは「公共職業訓練」と「求職者支援訓練」という2つに分けられており、求職中の人しか受けられません。

公共職業訓練と求職者支援訓練の違いについては割愛しますが、様々な資格や技術を取得できる施設で、多くの場合、無料(テキスト代の数千円程度はかかる)で入校できますが、入校条件や定員があるので、状況によっては入校できないこともあります。また受講期間中は、給付金は貰えますが仕事をすることができないため、それなりの収入を得ながら勉強したい人には向いていません。しかし、職業訓練校を卒業すると就職先を斡旋してもらえることもあるので、入校できれば就職への近道となることもあります。

料金 無料~数千円(補助金が支給される場合もあり)
期間 数ヶ月~半年程度
メリット 給付金をもらいながらスキルを身につけることができる、仕事を斡旋してもらえる可能性がある
デメリット 受講要件を満たす必要がある、受講要件を満たしていても定員がある

職業訓練校について詳しく知りたい方は、以下の記事もご覧ください。

▶無料で学べる?補助金も出る!?職業訓練校って何?
https://webist-cri.com/article/detail/2430

求人媒体社のスキルアップ講座を利用する

3つ目は、「求人媒体社が主催するスキルアップ講座を利用する」という方法です。求人媒体社が行うスキルアップ講座は、1日や数週間といった短時間で行われることが多く、募集自体も多くはありません。

しかし、求人媒体社ならではのノウハウを教えてもらえるなど、未経験者にハードルの高いポートフォリオ作りについて相談しやすい点が魅力です。

料金 無料
期間 1ヶ月程度
メリット ほぼ無料で受講できる、転職に役立つノウハウが身につく、求人を紹介してもらえることがある
デメリット 募集枠が不定期・限られている、受講後の求人応募が条件の場合がある

未経験歓迎の求人に応募して実務経験を積む

資格を取る時間も学校に通う時間ももったいない、という人は、未経験歓迎の求人に応募して、どうにか仕事をさせて貰うというのもひとつです。しかし、DTPオペレーターの未経験求人は多いとは言えませんので、根気よく応募していきましょう。

また、仕事を探している期間も、PhotoshopとIllustratorのスキルを磨くことを心がけるようにしましょう。Macintosh(iMac、MacProなど)が扱えるようになるのも応募先を増やす上で有利になります。

料金 無料(有給)
期間 企業によって異なる
メリット 給与を得ながら知識や経験を積むことができる、プロのDTPオペレーターと一緒に働くことで仕事のノウハウを学ぶことができる
デメリット 求人数が少ない、仕事であるため学ぶことを目的とできない

悩むより行動! プロの転職支援を受けてみよう

未経験からDTPオペレーターを目指す方法は多数ありますが、Webist編集部のおすすめは、まず求人媒体に登録して転職支援を受けてみることです。上記で紹介した転職支援サービスや資格だけではなく、求人媒体には人材のプロが、より良い就職活動方法やポートフォリオへのアドバイスを無料で実施してくれます。特にポートフォリオの作り方や、履歴書の書き方など、未経験では分からないことも教えて貰えます。時間や企業との出会いを無駄にしないためにも、ぜひ転職支援サービスの活用を検討してみてください。

まとめ

未経験からDTPオペレーターを目指す方法をメインにここまで紹介してきましたが、いかがでしたでしょうか?
一口にDTPオペレーターと言っても、チラシなどの一枚ものや、カタログなどの写真と文字の両方をメインに仕事をする会社もあれば、辞書や書籍、教科書などのページの多い文字がメインの会社もあります。他にも、名刺、看板、ビジネス文書、カレンダー、DM、雑誌など、その会社、会社で扱っているものも異なり、多くの会社が何かに特化した制作をしています。最近は、電子書籍の普及に伴い、印刷データの作成と同時に電子書籍データも扱える必要があるなど、コンピュータの知識も今まで以上に必要になっています。
求人情報をしっかりと見て、何を扱っている会社なのか、そもそも自分は何を作りたいのか等を明確に決めて、意思を持って「この仕事がしたい」と言える会社を見つけ、行動してみることから始めたら良いのでは、と思います。

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