「ポートフォリオも提出してください」そう言われて焦った方も多いのでは?あるいは、「良いポートフォリオってどんなもの?」と悩んでいる方もいるかもしれません。
そう。クリエイターが転職する際には、ほとんどの企業で履歴書・職務経歴書だけではなく、これまでの「作品・実績集」=ポートフォリオの提出が求められます。
しかし、「作品・実績を並べただけ」では、良いポートフォリオとは言えません。本稿では、採用担当者にしっかりとクリエイティブに関する強みをアピールできるポートフォリオの作り方について解説していきます!
ポートフォリオは職務経歴書以上に自由度が高く、どうやって作成すればよいか悩む方も多いと思います。最低限おさえるべき項目は、「プロフィール」「作品・実績」です。
以下、それぞれの項目の内容・書き方について詳細に確認していきましょう。
履歴書や職務経歴書にも記載しているため「プロフィールは必要ないのでは?」と思うかもしれません。しかし、採用担当者が必ず全ての提出書類をセットで内容を確認するとは限りません。
最低限のプロフィール情報、または「作品・実績」をアピールする上で有用なプロフィール情報があればそれも書いておきましょう。
・氏名
・年齢
・住所
・電話番号
・メールアドレス
以上のような基本的な情報は明記しましょう。それに加えて、人物像をより具体的に伝えるために「趣味・特技」などを書く人や「証明写真」をつける人もいます。
書籍の “ そで ” などに書いている著者の略歴のようなイメージです。
最終学歴などから書きはじめ、 “ 転職を希望する職業 ” に関連する職歴・受賞歴などを200〜300文字程度でまとめましょう。
こちらも略歴同様、“ 転職を希望する職業 ” に関連する職歴・スキルに絞って書きましょう。スキルについては自己評価レベルをレーダーチャートなどで表すと伝わりやすくなります。
ポートフォリオにおける「作品・実績」の目次の役割を果たすものです。各画像には補足説明(キャプション)をつけましょう。Web・データで見てもらう場合にはリンク設定もしておくと便利です。
ポートフォリオのメインとなる項目です!掲載する作品数にもよりますが、余白を意識しながら1ページに1〜2作品ずつ解説していきましょう。
それぞれの作品・実績における「クライアント名」「サービス名」および「案件の補足説明」を書きます。Webの制作物であれば「URL」も記載しましょう。
この項目の内容によって「上流・下流のどちら作業工程に対応したのか?」「少数で幅広い領域を対応したのか?」など、あなたが実務レベルとして十分なスキルがあるかどうかが分かります。採用担当者にしっかりと伝わるように丁寧に書きましょう。
「担当領域・使用ソフト・制作体制」と並んで重要な項目になります。クライアント課題でも制作体制における課題でも構いません。「課題に対してどのようなアクションを行ったか?」「それは自身のアイデアか?」など、職種・役職によっては採用担当者が最も注視する項目になります。
その他、アピールしたい点があれば書き添えます。ただし、企業の制作スタイルに合わない内容を書いてしまうと逆効果です。しっかりと企業研究を行った上で、書くか/書かないかの判断をしましょう。
制作スピードをアピールしたい場合には、書いておきたい項目です。大元の制作スケジュールと実際の制作期間を併記すると伝わりやすくなります。
案件の上流やマネジメントに対応していた人であれば、成果を書くことは必須と言えます。
曖昧な表現ではなく、客観的な評価がわかるよう「数字」で書くようにしましょう。
これまでは自己アピールの観点からポートフォリオの作り方について解説しましたが、ポートフォリオを作成する際には、気を付けなければならない注意点もあります。
個人で制作した「作品」は別として、企業に所属して手掛けた「実績」をどれでもポートフォリオに掲載して良いわけではありません。たとえば企業がその作品を手掛けたこと自体を機密事項としている場合には、当然、ポートフォリオに掲載してはいけません。
実績の「著作権」は企業にあります。あなたは、自分に課せられている「守秘義務」を理解し、それらに違反することがないように「実績」を取り扱う責任があります。
ポートフォリオに掲載する際にも、情報漏洩が起きないように管理します。データであれば必ずパスワードを、Webであればベーシック認証(できればダイジェスト認証)を設定しておきましょう。
「作品・実績の数が多いほうが良いのでは?」と考えがちですが、ポートフォリオのページボリュームが多いと、採用担当者は目を通すのが嫌になってしまいかねません。
「自分が持っているすべての作品・実績」ではなく、企業研究を十分に行った上で、
「その企業にもっともアピールできると思われる10~15作品程度」を選定して、効果的にアピールできるものから順番に載せましょう。
最近ではWebポートフォリオが主流になりつつあり、特にWeb制作クリエイターの場合、紙のポートフォリオは用意していない方も多いはず。しかし、面接時に環境・回線トラブルが起きた場合、Webポートフォリオが開けなくなるかもしれません。万が一に備えて紙のポートフォリオも必ず用意しておきましょう。
紙のポートフォリオ作成で注意すべきことなどをまとめた記事もあります。ぜひご覧ください。
▶未経験&初心者イラストレーター必見!仕事を勝ち取る正しいポートフォリオの作り方
最近ではポートフォリオサイトが簡単に作成できるサービスが公開されています。興味がある方は「おすすめのポートフォリオ作成サービスのご紹介」ページもご覧ください。
最終確認にお使いいただけるチェックリストを作成しました!もし良かったらポートフォリオ作成時にご利用ください。
<チェックリスト>
□ | 基本情報(氏名/年齢/住所/電話番号/メールアドレス)は明記しましたか? |
□ | 略歴(転職先に関連する職歴や受賞歴)を200〜300字でまとめましたか? |
□ | 転職先に関連する職歴、スキルを選んで、記入しましたか? |
□ | 作品・実績の画像一覧を作成しましたか? |
□ | 作品・実績を、余白を意識しつつ、見やすく掲載しましたか? |
□ | クライアント名、サービス名、補足説明やURLなどの作品・実績の概要は書き添えましたか? |
□ | 担当領域・使用ソフト・制作体制などを、採用担当者に伝わるように書きましたか? |
□ | 制作課題・制作意図などを、わかりやすく書きましたか? |
□ | その他、制作のこだわりについて、企業研究を行ったうえで書くか/書かないか決めましたか? |
□ | 制作期間について書きましたか? |
□ | 成果・受賞実績について、数字に基づいて書きましたか? |
□ | 掲載している全ての作品・実績は、すべて守秘義務や情報漏洩に関する問題をクリアしていますか? |
□ | 作品・実績の数に注意して、本当にアピールに必要なものだけ選定しましたか? |
□ | 面接時の環境・回線トラブルに備えて、紙のポートフォリオも用意しましたか? |