「YouTuber」が小学生のなりたい職業ランキングの常連になって久しいですが、動画撮影や編集といったスキルも近年一気に身近なものになってきました。
YouTube以外にも、広告やメディアのコンテンツなど、Web動画の需要は日増しに高まっています。
今回は、そんな勢いのあるWeb業界の動画編集という仕事に、未経験から挑戦するための方法や、年収・キャリアパスについてお伝えします!
1.「未経験者歓迎」の動画編集の求人例
2.「経験者優遇」の動画編集の求人例
3.Web業界の動画編集の年収:スキルや専門性によって年収はさまざま
4.Web業界の動画編集のキャリアパス:年収アップの方法は2つ
Web業界の動画編集の仕事は、撮影した映像や素材をWeb上で公開するために最適な形に編集することです。そのためには、細かいスキルはもちろん、「どんな場所で公開される何を目的とした動画なのか」を見極める能力も求められます。
Web動画にはさまざまな種類があります。たとえば……
・企業サイト用の短編動画
・FacebookやTwitterなどSNSのタイムラインに表示されるインフィード広告
・Webサイト上の決められた広告枠に表示されるインバナー広告
・YouTubeなどのプラットフォームに投稿する動画や広告コンテンツ
などなど、動画の長さや掲載先も多岐にわたります。動画枠の条件にあった編集をしなければならないので、映像だけでなく広告や媒体そのものへの知識も必要です。
Web動画の編集には、Adobe PremiereやAfter Effect、Final Cut Proなどの映像編集・加工ソフトを使いこなす能力が求められます。動画編集の具体的な作業は以下の2つです。
・オフライン編集
使用するカットをつないでいく「仮編集」
・オンライン編集
字幕やモザイクなどを入れたり尺を調整する「本編集」
オフライン・オンラインという言葉を使用しますが、ネットワークの有無を指しているわけではありません。
オフライン編集では様々なカットを組み合わせて映像のベースを作っていきます。同じ映像でも、使用するカットやその順番が違うだけで印象が大きく異なるため、動画の土台となる非常に重要な作業です。
オンライン編集では、オフライン編集したものに加工を加え、Web上に載せられる形にします。字幕やタイトル画面、ぼかしなどの効果を入れたり、効果音やBGMの挿入もここで行います。場合によってはCGでの特殊効果を求められたりもするので、前述した映像編集ソフトを十分使いこなせるだけのスキルが必要です。
※なお、動画の長さや使用する素材によっては、オフライン・オンラインを区別しない場合もあります。
動画編集は、PCと向き合う職人的な仕事。自分のセンスが大いに動画に反映されるため、実力が見えやすく、やりがいにも溢れています。
続いて、実際の求人例を参考にしながら未経験からWeb業界の動画編集になった場合の年収とキャリアパスについて説明します。
Web業界の動画編集は動画編集ソフトを使いこなさなければなりませんが、未経験からでも挑戦できます。年収・キャリアアップのコツについても解説するので、ぜひ参考にしてください。
動画編集未経験者の応募を歓迎している求人例は以下の通りです。未経験者は与えられたテーマやフォーマットのもと、簡単な動画から担当します。細かなエフェクトや凝った加工作業は経験を十分に積んでからになります。
雇用形態 | 派遣社員 |
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収入 | 月収23万~28万円 |
業務内容 | 自社サービスの動画編集に携わっていただきます。映像素材を決められた時間・構成通りにカット・テロップの挿入を行い、短尺(30秒ほど)の料理動画を作成いただきます。最初は1日2本程度の動画を編集していただき、慣れてきたら本数を増やしていきます。 |
募集要件 | 【必須の経験・スキル】 ・動画編集に興味がある方 ・Adobe Premiere、Photoshopの基本操作 【歓迎する経験・スキル】 ・動画ディレクションの経験 ・YouTubeなどの映像製作の経験 |
動画編集経験者の応募を歓迎する求人は以下の通りです。動画編集経験者には高度な技術や実務経験が求められるほか、動画の企画や広告の効果検証といった上流のディレクター業務も任されます。
また、動画編集は数人がチームとなって行うことが多いので、経験者はチームをマネジメントする能力も必要となります。
雇用形態 | 正社員 |
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収入 | 年収400万~600万円 |
業務内容 | 大手クライアント企業の製品やゲームなどの動画広告を制作するお仕事です。 -営業担当者とともに打ち合わせ -Adobe After Effects、Premiereを使用した動画制作 -納品、変更対応 -動画広告の効果検証・分析。必要であれば、改善を実施 など |
募集要件 | 【必須の経験・スキル】 ・Adobe After Effects、Adobe Premiereを使用した動画制作の実務経験3年以上 ・クライアントの課題に対して、的確な映像企画の立案ができる思考力をお持ちの方 ・WebやSNSの特色を理解し、制作ディレクション対応ができる方 【歓迎する経験・スキル】 ・編集プロダクションでの実務経験 ・動画メディアでの実務経験 ・WEB動画コンテンツの制作経験 ・デジタルマーケティングに関する知識や実務経験 ・マネジメント経験 |
Web業界の動画編集は、映像編集のスキルだけでなく、企画力やマネジメント力などの様々な能力も求められます。実際の平均年収はいくらなのでしょうか?
転職会議によると、Web業界の動画編集者の年収は以下の通りです。
※Web動画以外の映像製作会社やイベントプロダクションも含まれているため、あくまで目安の数字としてお考えください。
平均年収 | 323万円 |
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20代前半 | 268万円 |
20代後半 | 300万円 |
30代 | 364万円 |
40代 | 486万円 |
※出典:転職会議 その他の映像・音響・イベント・芸能関連職の年収まとめ (給料/平均年収/企業名などを集計)
https://jobtalk.jp/salary_matome/jobs/127
全世代の平均年収は323万円です。給与水準が低く感じられるかもしれませんが、本人のセンスやスキルが重視されるため、年収に実力が反映されやすい職種でもあります。キャリアアップすることで年収アップも見込めます。その方法について、説明していきます。
Web業界の動画編集は比較的新しい職種で、キャリアパスもまだまだ確立されていないのが現状。未経験から動画編集になった後に見込まれるキャリアパスの例は以下の通りです。
・フリーランスとして独立する
・Web映像制作ディレクターになる
組織に属し、編集技術を身につけた後にフリーランスとして独立する人は少なくありません。動画制作のニーズは非常に高いので、月に十数万円程度なら独立してもすぐに稼ぐことができるとも言われています。専門性を高め、業界での存在感を強めていくことで年収アップが可能なこともフリーランスの特権です。
また、動画編集の知識や経験を生かし、上流工程を手がけるWeb映像制作ディレクターになることでも年収アップが期待できます。
これまで、実際の求人をもとにWeb業界の動画編集の仕事内容と見込まれる年収・キャリアパスについてご紹介しました。ここからは、未経験からWeb業界の動画編集になるための方法についてご紹介します。
動画編集を独学で身につける人もいますが、一人で複雑なソフトの操作方法を学ぶのは骨が折れます。また、広告や媒体に関する知識も独学では学びにくいものです。ここでは、独学以外に未経験からWeb業界の動画編集になるための方法を4つ紹介します。
・専門学校、映像制作・編集スクールに通う
・求人媒体社が開催する講座に参加する
・クラウドソーシングなどで仕事を請ける
・初心者歓迎の求人に応募して実務経験を積む
以下、それぞれの詳しい内容とメリット・デメリットについて説明します。
Web業界の動画編集について体系的に学びたい場合、専門学校や映像制作・編集スクールに通うことがまず選択肢に挙がるでしょう。最近では「Web動画クリエイターコース」などWeb動画に特化しているスクールも増えており、基本的な知識やソフトの操作などを一通り学ぶことができます。
ただし、映像編集はそもそも時間がかかる作業であり、必要なスキルやツールも多いため、受講期間や費用が高くなりがちなのがデメリットでもあります。
また、動画の編集方法には個人のセンスが大きく関わります。学校に行っているからと安心せず、自分でもたくさんの映像を見て感性を磨く努力は忘れないようにしましょう。
料金 | 数十万~ |
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期間 | 数ヶ月~数年 |
メリット | 体系的な知識や映像編集ソフトの使い方が身につく、働きながら通える専門学校やスクールもある、求人を紹介してもらえることがある |
デメリット | 受講期間が長い、受講料が高額 |
求人媒体社は求職者を対象に「スキルアップ講座」を開催しています。「映像・エフェクトデザイナー講座」などでは動画編集用ソフトの使い方について教えてもらうことができます。求人媒体社が主催なので、講座修了後に自分にあった求人を紹介してもらえることも多々あります。
しかし、募集は不定期で、Web動画に特化した講座がいつも開かれるとは限りません。情報を取捨選択しながら、自分に必要な講座を判断することが必要です。
料金 | 無料~ |
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期間 | 1日~1ヶ月 |
メリット | ほぼ無料で受講できる、転職に役立つノウハウが身につく、求人を紹介してもらえることがある |
デメリット | 必ずしもWeb動画に特化した講座があるわけではない、募集枠が不定期・限られている、求人媒体者への登録が必要、受講後の求人応募が条件の場合がある |
Web動画の需要の高まりを受け、クラウドソーシングサイト内でも動画編集の案件が多数見受けられます。「クラウドワークス」や「ランサーズ」などのクラウドソーシングサイトで仕事を請け、実際に動画編集に取り組んでみることも可能なのです。
副業としてお金を稼ぎながら実践経験を積めるのはメリットですが、発注単価が安いことが多いので注意が必要です。料金相場がわからないうちに仕事を請けてしまうと損をする可能性があります。
また、知識や経験に偏りが出てしまう可能性もあるため、他の方法と並行して試すことをおすすめします。
料金 | 無料 |
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期間 | 数日~数ヶ月 |
メリット | 副業で始められる、実務経験を積める |
デメリット | 単価が安い、時期によって案件数にムラがある、体系的な知識が身につかない可能性がある |
未経験からWeb動画編集の仕事につくためには、初心者歓迎の求人に応募して実務経験を積む方法もあります。
プロの仕事を間近で見ながら実務で経験を積んでいくことは、Web業界の動画編集になるための最短ルートだと言っても過言ではないでしょう。Web動画は成長市場なので初心者歓迎の求人も多数あります。
しかし、初心者歓迎である分、社風とのマッチングや人物像が重視されます。入念な面接対策が必須なので、転職支援サービスなども活用しながら挑戦してみましょう。
料金 | 無料(有給) |
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期間 | 企業によって異なる |
メリット | 収入を得ながら学べる、実務経験が積める |
デメリット | 人物評価が重視される |
「未経験からWeb編集の仕事に就きたいけれど、思い切りがつかない……。」という方は、求人媒体社の転職支援サービスを受けてみましょう。
人材支援のプロが、初心者からでもWeb業界の動画編集として活躍できる求人を厳選してくれます。初心者にはわかりづらいスキルのアピール方法も丁寧に教えてくれるため、Webist編集部が最もおすすめする方法です。
悩む前に、ぜひ転職支援サービスを利用してみましょう!
Web業界の動画編集は動画編集ソフトを使いこなす高い技術力と、映像のつなぎ方やエフェクトに関するセンス、また広告や媒体の知識など幅広い能力が求められます。
未経験者には敷居が高く感じられますが、市場が拡大していることもあり、初心者歓迎の求人も多々あります。積極的に行動して、ぜひWeb業界の動画編集にチャレンジしてみてください。